研究課題/領域番号 |
15K03681
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
谷 俊子 東海大学, 教育研究所, 助教 (50592862)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 経営倫理 / 雇用 / ワーク・ライフ・バランス / 子育て支援 / ダイバーシティ / ケアの倫理 / 多様な正社員 / ケアリング |
研究実績の概要 |
1.企業の従業員(家庭役割を担う女性中心)に対してインタビュー調査を行った。グラウンテッド・セオリー・アプローチ(GTA)の方法に従い、まずは仮説を立てずにインタビューを行いデータ収集した。インタビュー調査から仮説の抽出を行い、仮説を設定し、その検証としてインタビュー調査の追加等、本調査に移行した。 2.分析経過を日本公益学会(2015年9月)、人材育成学会(2015年12月)、慶應宗教研究会(2016年3月)で発表した。また日本公益学会誌、および東海大学教育研究所紀要に論文を執筆・掲載した(いずれも2016年3月発行)。 3.心理学や異文化コミュニケーションの分野における研究者と協働で研究会を複数回行い(2015年9月~2016年2月)、多面的な状況分析の可能性を試みた。2015年9月には、東海大学において「多様性を考える」をテーマにワークショップを開催した。 4.一般の方向けにreasearchmapの「研究ブログ」において、研究活動の紹介を行った(2015年4月~2016年3月まで、ほぼ毎月)。また企業人向けに「専門職と倫理観」と題し、ケアの倫理やアリストテレスの徳倫理に関する講演を行った(2015年12月)。 5.2015年6月に単著『ワーク・ライフ・バランスとケアの倫理』(静岡新聞社)を上梓した。 6.「応用倫理学研究セミナー」を主催した(2016年3月)。テーマは「生命医学倫理の構造-ビーチャム、チルドレスの『生命医学倫理』を中心に-」とし、倫理学分野の研究者を講師に、東海大学で開催した。規範倫理学、ケアの倫理、専門職倫理等について、それらの理論的構造という観点から研究会を実行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究計画として当初あげた6項目のうち、以下の4項目について実施・完了した。 1.企業の従業員(家庭役割を担う女性中心)に対してインタビュー調査を行う。グラウンテッド・セオリー・アプローチ(GTA)の方法に従い、まずは仮説を立てずにインタビューを行いデータ収集する(GTAはインタビューによって仮説を設定し、本調査に移る手法)(10月末まで)。 2.心理学や異文化コミュニケーションの分野における研究者と協働で研究会を行い、多面的な状況分析の可能性を試みる(通年)。 3.インタビュー調査から仮説の抽出を行い仮説を設定したら、その検証としてインタビュー調査の追加等、本調査に移行していく(10月~3月)。 4.分析経過、文献研究を日本経営倫理学会、人材育成学会等、国内の学会・学会誌に発表する。またインターネット上に研究の紹介を行う(10月~3月)。 また研究計画にあげていなかった成果として、前記「研究実績の概要」にあるように、単著の出版、および応用倫理学研究セミナーの開催を行った。よって「おおむね順調に進展している」と評価をした。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は以下の通り。1.インタビュー調査を継続し、部分的に結果が出たものから、GTA分析にとらわれないで事例紹介のみの発表ができる学会(人材育成学会等)での報告、企業等への公表を行っていく。インタビューデータをケアの倫理との相関性を検討していく。「ケア学」で蓄積したケアの倫理の特徴との対比および、欧米の新たな文献研究も加え、経営学的な側面だけではなく、倫理学・哲学的な思索を深めた論文の執筆を行う。2.研究経過の中で得られた知見・成果を大学の授業に反映する。それに対する学生からの意見等も収集し、改善につなげていく。3.心理学や異文化コミュニケーションの分野における研究者と協働で研究会を行い、多面的な状況分析の新たな可能性を試みる(通年)。4.「多様な正社員」普及・拡大のための有識者懇談会等、国内の動向の把握、国内の関連文献の調査、当該分野を扱う研究者からの情報収集を行う(通年)。 平成29年度は以下の通り。1.インタビューの本調査をGTAで分析し、研究全体の結果を出し、完成させる(平成29年10月までに)。2.GTAで分析した結果を各学会・学会誌に発表する。3年間に執筆した論文をまとめ、一冊の本にして一般の読者向けに出版する(平成30年3月までに)。3.企業人へ向けて研究報告会を実施する。4.研究経過の中で得られた知見・成果を大学の授業に継続して反映する。それに対する学生からの意見等も収集し、改善につなげていく。5. 心理学や異文化コミュニケーションの分野における研究者と協働で研究会を行い、多面的な状況分析の新たな可能性を試みる(通年)。6.「多様な正社員」普及・拡大のための有識者懇談会等、国内の動向の把握、国内の関連文献の調査、当該分野を扱う研究者からの情報収集を行う(通年)。
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