研究課題/領域番号 |
15K03687
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
伊藤 誠悟 武蔵大学, 経済学部, 教授 (80612275)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 組織学習 / イノベーション / 知識管理 / 経営戦略 / 中小企業 |
研究実績の概要 |
平成27年度の活動の主な活動は以下の3点である。当初計画から大きく変更した内容はない。情報の収集がやや不足しているものもあるため、インタビュー調査など、次年度も引き続き実施する予定である。 (1)外部知識の活用に関する文献等サーベイ:知識の探索・吸収・活用に関しては多様な分析視点での先行研究(March 1991、Rosenkopf and Nerkar 2001、Rosenkopf and Almeida 2003、Sampson 2007)があり、アンケートの設計に反映すべく文献サーベイを実施した。加えて、知識の探索と活用の両立に関する理論研究及び、実証研究のサーベイを実施し、分析の視点出し、分析の枠組みの検討を行った。その他、起業家精神と企業成長に関する先行研究のレビューを行い、調査モデルへの反映を検討した。 (2)質問票作成のためのインタビュー調査:東京都、横浜市をはじめ官公庁の中小企業支援機関に対し中小製造企業に関する問題意識や政策上の課題を整理した。調査モデルのブラッシュアップや調査項目の妥当性の確認のための実務家に対するインタビューも実施した。但し、収集できた情報が限定されているため、次年度も追加の調査を行う。官公庁や民間研究機関が実施した過去の調査や国レベル・自治体レベルでの中小製造業に対する支援政策を整理した。 (3)質問票の検討:質問票を作成するための文献サーベイ及び、調査モデルを構築するための中小企業支援機関や企業へのインタビュー調査を実施し、調査モデルとデータ収集のための質問項目の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の主要な研究活動であった文献の整理と先行研究から知見の抽出は概ね完了している。具体的なデータの収集方法の確定や実証すべき因果関係のモデル化にはもう少し時間を要する。主要な変数は抽出できつつあり、変数間の関係を検討している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の主な研究活動は以下の通りである。 (1)質問票の作成:アンケート調査用の質問票を作成する。質問票は草案ができた段階で、3社程度に回答をしてもらい、項目や表現等の改善を行う。 (2)アンケート調査の実施及び分析:100社回収をボトムライン(回収率は10~15%を想定)として、アンケート調査を実施する。「グローバルニッチトップ企業100選」(経済産業省製造産業局)、「元気なものづくり企業300社」(中小企業庁)、「輝く技術 光る企業」(東京都産業労働局)、「大阪府ものづくり優良企業賞」(大阪府商工労働部)などに選定された企業に、自治体の中小企業支援機関からの推薦企業などを加えた企業リストを作成し、そのリストを参考に開発機能を保有する企業を抽出する。その後、アンケート送付予定企業一覧に関し知見のある研究者などの意見を聞き、アンケート送付先企業を決定し、アンケート調査を実施する。 (3)アンケート回答先へのインタビュー調査:本来であれば、アンケート調査結果の整理、分析が完了した後に、因果メカニズムの解明のためのインタビュー調査を実施するのが望ましいが、分析に目処が立った時点で、仮説のブラッシュアップのために回答先へのインタビュー調査を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に以下の2つの要因から繰り越しが生じた。 (1)当初計画では、次年度以降で検証する因果モデルを作成するために、首都圏以外の開発型中小企業へのインタビューを多く見込んでいたが、時間的な制約から首都圏中心となり、また件数も減ったため。 (2)調査票作成の予備作業で見込んでいた人件費が、もう少し調査を進めてから作業を依頼することにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、調査票作成にあたり、首都圏以外の企業へのインタビュー調査を実施予定であり、また、調査票作成や企業リスト作成で外部へ委託予定であるため、そのための旅費や委託費として使用する計画である。
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