平成29年度は、分析結果を論文としてまとめ、国内外で開かれた主要な経営学学会で論文発表を行った。具体的には、Strategic Management Society、INFORMSの年次大会に参加し、研究結果の発表と関連部門研究者からのフィードバックを受けた。執筆した論文においてはすでに出版された2本の論文に加え、3本の論文を執筆し、2本はJournal of Management StudiesとAsia Pacific Journal of Managementへ投稿し、レビューを受けている。残り1本の論文は最終的な修正を行い、Journal of World Business等の論文誌に投稿を行う予定である。レビュー結果による最終的な修正を行うため、仮説を再検証などを行いながら、統計分析の内容にも補強作業を行うため、データのアップデートや専門家インタビューなども持続的に行い、研究結果面での改善や今後の研究面での協力体制も一層強化した。 研究期間全体を通じては、当初の研究計画に沿って研究を進めたことで、合計5本の論文の執筆ができ、その中2本の論文はすでに活字化されている。残り3本の論文も世界的に知られている論文誌に投稿し、レビューを受けており、近いうちに出版されることを期待している。Strategic Management Society、INFORMSなど経営戦略分野の著名な国際学術大会で研究期間の3年間5回、発表論文として選ばれ、年次大会で研究結果を発表し、学会から評価を得られた。 本研究から得られた最終的な理論的意義は、第一に、買収の研究について、買収プロセスに対する内外の圧力の実体を明らかにし、買収の成否を説明する理論モデルの説明力を向上させたことである。第二に、ステークホルダー理論を買収研究に適用することで、ステークホルダー理論の適応範囲を広げることである。
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