研究課題/領域番号 |
15K03693
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研究機関 | 環太平洋大学 |
研究代表者 |
星野 靖雄 環太平洋大学, 経営学部, 教授 (00096744)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 日本の多国籍企業 / オーストラリア / ネットワーク / ASEAN4か国 |
研究実績の概要 |
1. 日本の多国籍企業の進出形態、立地、収益性についての実証研究であり、オーストラリアへの進出企業210社では、母国の関連親会社による国際合弁が最も収益性が高く、異国間で複数の親会社による国際合弁、完全所有型、伝統的な母国の親会社と現地の会社との国際合弁の順であった。また、オーストラリアでの子会社の方がイギリスでの場合より収益性が高いことも指摘できた。 2.多国籍企業の子会社ネットワークの構成要素であるネットワークの範囲,ネットワークの強度,ネットワークの立地パターンを広範囲に研究し,この 3 要素による多国籍企業の収益性への効果を実証している。第1にネットワークの範囲を多国籍企業の子会社がある地域の数で表し,ネットワークの強度を地域の投資額で示すとともに , ネットワークの立地パターンを多国籍企業の投資の地域分布で表現した。ついでこれらの 3 主要概念の意味付けをしており,子会社の立地と親会社の戦略のネッワークへの影響も分析している。第2に政治的リスクと文化的相違が与える多国籍企業の子会社の組織への影響を分析している。 3.日本の多国籍企業によるASEAN4カ国,インドネシア,マレーシア,フイリピンとタイヘの直接投資活動の成果についての研究である。第1に,タイヘの日本企業の製造子会社190社の標本をタイ・ミリオンバーツ経営情報データにより取得することにより,多国籍企業の持つ企業固有の優位性と進出形態の選択による海外子会社の収益性への影響を分析している。第2に、東洋経済新報社のデータを利用し,海外子会社の成功の主要因は所有技術や経営のノウハウであり,企業固有の優位性と進出形態の適合性は成果には有意な影響がないことも指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果を著書として英文で7冊出版できたのは国際的な成果と言える。
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今後の研究の推進方策 |
東洋経済新報社の海外進出企業総覧のWEB版が利用できるようになり、収録期間全体での国際的企業合弁、合併、完全子会社の経営成果の国際比較が可能となり、これまでの研究の拡大と発展を図る。さらに、国際的なデータベースであるBVD社のOrbis,Osirisのより長期でのデータ利用による展開を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
前任校での定年退職直後、環太平洋大学経営学部の創設要員として4月より勤務したが、移動に伴う準備や全く異なる教育研究に対応するため、海外出張による研究・調査等が実行できなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、筑波大学で研究を推進するので海外出張は実施でき、研究をサポートする体制も充実しているで、計画どうりの研究の推進ができる。
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