研究課題/領域番号 |
15K03696
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柿澤 寿信 大阪大学, 全学教育推進機構, 特任講師 (70735315)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 人的資源管理 / 職務満足度 / 過程公平性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ある企業の内部データを用いて、人事管理上の非金銭的諸要因が従業員満足度等に及ぼす影響を推計することである。この目的に向けて、ある企業(以下Z 社)の詳細な内部データを用いたケーススタディを行う。本年度の研究実績の概要は次のとおりである。 1.調査実施およびデータ統合:Z社において、2015年8月5日および6日の2日間にわたり従業員意識調査を実施し、全従業員の回答を収集した。また、本年度の人事マイクロデータも、Z社人事部より併せて受領した。従業員意識調査の結果をデータ入力すると同時に、人事マイクロデータのデータクリーニングを行い、両方を統合した単年度データセットを作成。さらに、過去年度のデータとの統合も行い、最新のパネルデータセットを構築した。 2.本年度の傾向把握・報告:本年度意識調査データの一次集計を行って全体傾向を把握するとともに、昨年度、一昨年度の結果と比較して経年変化の傾向も確認した。また、その結果を取り纏めた報告書を作成し、Z社人事部および経営陣に対する報告会を実施した。 3.計量モデルの検討:従業員満足度に対する過程公平性等の非金銭的諸要因の影響につき、論文の骨格となる計量モデルを検討し、暫定的な推定結果を得た。また、この結果について社会人対象の報告会を行い、討論を通じて多くの有益な示唆を得た。これらの示唆や、他の研究協力者からのコメント等を踏まえて、さらに改善を試みつつ、論文の執筆を進めている。 4.次年度に向けた調査企画:来年度以降の従業員意識調査につき、調査内容の更新および実施方法等の検討に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の従業員意識調査を予定どおり実施し、必要なデータの収集を完了した。また、データの一次集計を通じた全体傾向の把握や、論文の骨格部分をなす計量分析の検討も進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、ここまでに蓄積したパネルデータによる分析をさらに進め、論文の執筆を進める。並行して、従業員意識調査の調査票更新を進め、パネルデータの更新と新たな情報の獲得を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文原稿英訳の予算を計上していたが、現在執筆中である。また、当初は前任の同志社大学にて学生アルバイトの雇用を想定していたが、2015年8月時点で大阪大学に移動し、大阪大学人事統計解析センター内でデータ入力作業等を遂行できたため、結果として人件費が生じなかった。また、Z社への出張回数が想定よりも少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
論文原稿を早期に完成させ、英訳する。また、本年度は従業員意識調査の調査票および実施方法の大幅改定を予定しているため、その打ち合わせ等のための出張回数が増えると想定される。
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