研究課題
中小企業の持続的な成長駆動力として、企業家的志向性(EO: Entrepreneurial Strategic Orientation)の効用が、1990年代から世界的に注目され始める中、本研究では、「EOの形成プロセスの解明」と「新たなEO指標の開発」に焦点をあて研究を進めてきた。具体的には、中心仮説を軸に定量的かつ定性的な複数の研究プロジェクトを立ち上げ、緻密に実証分析に取り組み議論を重ねてきた。最終年度にあたる平成31年(令和元年)には、これまでの主要調査(大規模郵送アンケート調査およびケーススタディ等)の結果を改めて整理し、発見事実、解釈、学術的示唆、実践的含意について国内外の先行研究の批判的検討やEO研究者との議論を踏まえて、全体のとりまとめを実施した。特に、危機的な経営環境下におけるEO形成メカニズムと異なるEOタイプによる効用にかかわり、実証分析に応用可能な触媒要因ならびに媒介要因を示しながら、中間的な研究成果として6つのプロポジション(P1~P6)を提示し、これらをベースに国内外の研究動向についてEO研究者との対話を繰り返し、学術的かつ実践的インサイトの導出に務めた。研究成果物として今年度は、国内外への学術誌への投稿は順次実施しているが、発展的議論の土台としてまずディスカッションペーパーを執筆した。その上で、研究協力者との対話を通じて、当該研究成果の精度を高めて、国内外へ発信していく計画である。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)
Working Paper Series ,Osaka University of Economics.
巻: 2019-1 ページ: -