研究課題/領域番号 |
15K03702
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
松永 佳甫 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (60325561)
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研究分担者 |
松島 みどり 大阪商業大学, 総合経営学部, 講師 (20634520)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (60451506)
奥山 尚子 大阪大学, 経済学研究科, 招へい研究員 (80617556)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ソーシャルベンチャー / フォロワー / リーダーシップ特性 / ソーシャルキャピタル |
研究実績の概要 |
平成28年度に実施した主な研究実績は、研究計画書に即した文献のレビューとそれを活用したアンケート調査票の作成である。本研究は、基盤研究(c)(研究課題番号:24530507)の継続研究に位置づけられる。研究課題番号24530507では、アンケート調査によりリーダーシップに関するリーダーの主観的評価データの入手を行い、ソーシャルベンチャーのリーダーシップ特性について、計量分析を行いその特性を明らかにした。他方、本研究の目標は、ソーシャルベンチャーのリーダーのリーダーシップ特性に関する定量化された主体的評価(研究課題番号24530507で実施済み)を更に発展させることにある。具体的には、フォロワーによる客観的データをアンケート調査により入手し、研究課題番号24530507で入手したデータと組み合わせて、より客観性の高いデータセットを構築することにより、リーダーシップ特性に関するより厳密な定量的把握を行う。また、リーダーシップ理論によると、リーダーシップはリーダーの資質だけでなく、「リーダーとフォロワーとの間の信頼の上に醸成される」という。「信頼」はSCのひとつの要素である。一方で、フィランソロピー(寄付やボランティア)活動もSCの要素(互酬性の規範)であると考えられている。そのため、平成28年度に引き続き、ベンチャー論、経営組織論、経営戦略論、非営利組織論などの経営理論に関する文献収集に加え、リーダーとフォロワーの間に介在するソーシャル・キャピタル(SC)の計測方法に関して記載されている様々な文献の収集やレビューを行った。 以上の研究成果を活用し、リーダーのリーダーシップに関するフォロワーからの客観的評価およびフォロワーのSC要素を定量化するための適切なアンケート調査票を完成することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に照らし合わせると、平成28年度末に実施予定であったアンケート調査が開始できていない。ただし、アンケート調査票は完成しており、またアンケートへの回答を行う組織にとっては、年度末は繁忙期に当たり、アンケート調査への回答率が低い値に終わる可能性が高いことを鑑みると、結果的に平成29年度前半にアンケート調査を行う方が高い回収率を見込むことができると考える。 以上を鑑み、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は研究課題番号24530507で取得済みであるデータと本研究におけるアンケート調査により得られたデータを統合して、ソーシャルベンチャーのリーダーシップ特性をより客観的にデータベースを作成する。そして、様々な視点からソーシャル・ベンチャーに関する理論・計量分析モデルの分析を行う。執筆した論文は、国内外の学会で報告するとともに、国内外の専門誌に投稿することにより、研究成果に対する第三者評価を受ける。学術雑誌の査読者からの評価を糧に、論文の質を高めながら、海外の査読付学術雑誌への掲載を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に実施する予定であったアンケート調査が平成29年度実施へとずれ込んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に実施出来なかったアンケート調査を、平成29年度に実施する。
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