研究課題/領域番号 |
15K03702
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
松永 佳甫 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (60325561)
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研究分担者 |
松島 みどり 大阪商業大学, 総合経営学部, 講師 (20634520)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科, 教授 (60451506)
奥山 尚子 大阪大学, 社会経済研究所, 特任助教(常勤) (80617556)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ソーシャルベンチャー / リーダーシップ / ソーシャルキャピタル / 社会的企業 |
研究実績の概要 |
ソーシャルイノベーションとは、従来の政策では太刀打ちできない社会的ニーズに対応する能力を持ち、これまでの社会のあり方を変えようと試みる個人または組織の力を指す。ソーシャルイノベーションは、社会的企業によって成し遂げられるものも多い。したがって、持続的なソーシャルイノベーションの発動には、社会的企業の持続可能性が重要となってくる。特にこの研究では、社会的企業の持続可能性を担保する要因は何なのかということに焦点を当てている。 その要因を探るために、本研究では社会的企業に対し、アンケート調査を実施した。アンケート調査項目を作成するにあたり参考とした主な先行研究は、Covin and Slevin(1989)である。Covin and Slevin (1989)はKhandwalla (1977)に従い、①「逆境の経営環境における組織の対応」、同じくKhandwalla (1976, 1977)に従い、②「経営哲学(有機的対応か機械的対応か)」、そして、③「経営に対する態度(技術革新レベル、積極的態度、リスク対応に関する特色の3つにより構成される)」を計測した。これらの指標を主要な説明変数とし、また組織自体の特色を表すいくつかの説明変数も追加されている。他方、財務パフォーマンスを社会的企業の持続可能性を測る代理変数(被説明変数)とした。総支出を被説明変数としたのは、社会的企業がNPOを含むからである。United Nations Statistics Division (2003)にると、NPOの財務パフォーマンスは、総支出によって計測されるのが適切であるとしている。推計の結果、①、②は総支出に負の影響を及ぼしており、③は正の影響を及ぼしている。つまり逆境にある方が財務パフォーマンスは低下し、経営が有機的である方が財務パフォーマンスは低下することを示している。一方、技術革新を追求し、積極的態度を持ち、リスクに果敢に挑戦する企業の方が、財務パフォーマンスは向上することが示された。
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