研究課題/領域番号 |
15K03708
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研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
坂本 理郎 大手前大学, 現代社会学部, 准教授 (40449864)
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研究分担者 |
西尾 久美子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (90437450)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | デベロップメンタル・ネットワーク / メンタリング / OJT / 職務特性 / キャリア初期 / キャリア中期 / 看護師 / 造船業 |
研究実績の概要 |
DN(Developmental Network)に関する以下の3つの点を探ることを目的として、県立A病院に入職後10年の中堅レベルの看護師を対象(計17人)とする定性的調査を実施した。第1に、入職1年目から10年目にかけての看護師の発達は、そのDNの特性(構造および機能)に対して、どのように影響しているか。第2に、相互依存性およびタスク多様性といった職務特性は、入職1年目および10年目における看護師のDNの特性(構造および機能)に対して、どのように影響しているか。第3に、DNの機能特性による影響は、中堅看護師のキャリア・モチベーションにどのような影響をもたらしているか。 分析の結果は次のとおりであった。第1に、入職1年目から10年目にかけての看護師の発達が、DNの構造特性に対して影響している事実は確認できなかった。DNの機能特性についても、看護師の発達が、DNで提供された機能の多様性に対して影響を及ぼしている事実は確認できなかった。一方で「技術的指導」や「見守り」など発達により減少したと考えられる機能が4つ確認されたことや、「相談」や「モデル」など6つの機能は逆に増加する傾向が認められたことから、DNで提供される機能の種類に対する発達の影響を示唆する事実は確認できた。第2に、ERに所属する看護師のチームワーク的な職務特性が、DNの人数を増すように作用した可能性を示す事実を確認することができた。また、ERの職務特性がDNの機能特性に対して与える影響は確認できなかった。第3に、DNの機能特性については、多様な機能の提供を受ける方が、組織内で明確なキャリアの志向性を持つ上では良いことを示す事実が確認された。ただし、経験、内省、展望というキャリア形成を促す3つのカテゴリーを意識することが重要であることも示唆された。 以上の成果を論文にまとめ、人材育成学会誌に投稿した。
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