本研究は貧困問題を経営学の考え方及び手法を使って解決することを論じた研究である。すなわち支援を受ける貧困者を消費者と考え、層別化し、それぞれの層におけるニーズとウォンツを明らかにし、かつ貧困者が自助努力により自立していくためのステージを、生存、参加、自立の3つに分け、支援機関の段階ごとの支援のあり方について論じた。さらに貧困者が自助努力で自立するためには、ゴールを設定し、それに向けた動機づけやキャリア開発が必要であり、そのためのロールモデルとキャリアプロファイルを提案した。貧困者へのきめ細かな支援には行政、NGO、NPO等支援機関の重層的なネットワークを通じた支援が必要であることにも論究した。
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