本研究は,自動車リサイクル市場(静脈市場)を,使用済自動車から生じる外部性の内部化を所有権理論,企業間関係論の観点より検討し,戦略的な市場化・事業化の方法を導出することを目的とした。3年間,企業調査を重点的に行い,企業間連携による経済効率の向上を明らかにしつつ,自動車産業のグローバル性とそれに伴う再資源化の国際展開,そして自動運転など将来の技術への再資源化の対応についても,視野を広げた。 そのうえで静脈産業全体の経済性を向上させるには,個別最適の積み重ねによる全体最適の実現が必要であることを導出した。結果として「再生の経営」戦略が機能する「再生の経済」社会システムが必要であることを論じた。
|