研究課題/領域番号 |
15K03719
|
研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
近藤 公彦 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (10205552)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | マルチチャネル / オムニチャネル / 日本型オムニチャネル / 多業態オムニチャネル / ロジスティクス |
研究実績の概要 |
本研究は、日本型オムニチャネルの構造とそのダイナミズムを理論的ならびに実証的に明らかにすることを目的としている。 初年度である27年度においては、以下の3点に焦点を当てて研究を進めた。第1に、日本型オムニチャネルがセブン&アイやイオンのように、多業態オムニチャネルであり、それは、オペレーション上、同業態内での基本的にオンライン・オフラインの構造に比べてはるかに複雑である。それゆえ、オムニチャネル戦略を成功させるためには、このオペレーションの組み方が決定的に重要である。第2に、多業態に及ぶ多様な店舗が配送・受け取りのポイントとなる。店舗数から言えば、欧米小売業に比べて圧倒的な差があり、この量的な差がサービス品質の質的な違いに転化すると考えられる。第3に、上記に関連して、オムニチャネルは効率的・効果的なロジスティクスと不可分であるが、日本型オムニチャネルは、物流業者を巻き込んだよりオープン・イノベーション的な性質を有することになる。 以上の観点から研究を深め、それらの成果を、論文「小売業におけるマルチチャネル化とチャネル統合」『国民経済雑誌』(神戸大学)、ならびに学会報告、日本商業学会第65会全国研究大会「小売業におけるマルチ チャネル化とチャネル間統合」、国際学会International Conference of Asian Marketing Association、"Opportunities and Challenges of Omnichannel Strategy in Japanese Retailing," として公表した。 また、日本マーケティング学会においてリサーチ・プロジェクト「オムニチャネル研究会」をプレスタートさせて、その座長に就任し、産学連携によるグループ研究を通じてより包括的な研究体制を整えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、日本型オムニチャネルに関する理論的研究を推進し、その研究成果を国内外の学会において報告することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度においては、引き続き、文献レビューを通じた理論的考察を進めるとともに、27年度の研究を踏まえて、日本型オムニチャネルの分析枠組み、ならびに実証分析のための作業仮説を構築する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
関係図書および資料の入手・購入、ならびに研究出張について予定よりも低予算で可能となったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
主として、出張(国際学会のための海外出張を含む)に充当する予定である。
|