本研究は、小売業におけるマルチチャネル(以下、近年の研究を踏まえ、オムニチャネルと表記)を理論的・実証的に解明することを目的とする。 理論的には、日本型オムニチャネルという日本の小売環境に特定的なオムニチャネル様式を考察し、それが多業態オムニチャネル、および店舗ネットワークの2つから特徴づけることができることを明らかにした。また、日本における小売企業を対象としたアンケート調査により、チャネル統合の次元、ならびにチャネル組織間の調整とチャネル・ミックスの関係、データ統合ならびにオムニチャネルの仕組みとオムニチャネル戦略の実践度、オムニチャネル戦略と経営成果との関係を実証的に明らかにした。
|