研究課題/領域番号 |
15K03729
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中山 雄司 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (20326284)
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研究分担者 |
荒木 長照 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (50214789)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 顧客関係管理 / 購買者行動モデル / マーケティング・サイエンス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、発売前に需要が不確実で、発売後にその市場価格が急速に逓減する商品に注目し、このような商品に対する消費者の購買意思決定と、それを踏まえた小売店の顧客関係管理のあり方を考察することである。 上記の目的に対して、本年度は現実経済における事例の調査や、マーケティング・サイエンス分野を中心とした既存研究の調査を行った。そして、Ni, Neslin and Sun (2012)Marketing Scienceで研究用に公開されたオフライン小売店のデータを用いて以下の2つの課題に取り組んだ。 課題1:小売店における商品カテゴリー別の価格政策の特徴を記述統計で整理する。 課題2:阿部(2011)(日本統計学会誌)の顧客関係管理に関するモデルを拡張し、購買金額の部分をカテゴリー別購買金額に分けてトービット・モデルで定式化して、顧客の購買行動をより詳しく説明する。 既存研究の整理、関連付けした結果は、2016年3月に南山大学で開催された消費者行動ワークショップで報告した。その報告でも言及したが、顧客関係管理においては、顧客基盤を、取引機会が連続か離散か、顧客との関係(取引期間)について明示的な契約があるかどうかの2つの視点から分類することが重要である。課題2で用いるデータは、米国のある大手消費者家電小売店における顧客ID付購買データであり、取引機会が連続で、顧客との関係に明示的な契約がない場合に該当する。このことを踏まえた顧客の購買行動をモデル化している。その成果を2016年6月に上海で開催されるINFORMS Society for Marketing ScienceのConferenceにおいて報告することが決まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存研究を整理した結果を南山大学で開催された消費者行動ワークショップで報告したこと、研究目標に挙げた課題2の成果を2016年6月に上海で開催されるINFORMS Society for Marketing ScienceのConferenceにおいて報告することが決まっていることによる。
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今後の研究の推進方策 |
顧客関係管理に関する既存研究のサーベイについては、より包括的な内容にして、日本マーケティング・サイエンス学会第100回研究大会(2016年11月)または第101回研究大会(2017年6月予定)でも報告し、学会誌にサーベイ論文として投稿する予定である。 課題2に関するオリジナル論文は、上海でのISMS Conferenceやその他の機会に得たコメントを反映した論文を完成し、平成28年度中に学術雑誌に投稿する。 上記に引き続き、以下の課題に取り組む。 課題3:新ブランドの市場への普及を説明するために、消費者間のコミュニケーション・ネットワークに関する人工市場モデルを構築し、価格政策の変更やデータからは入手できない広告政策の変更が新ブランドの普及に与える影響をシミュレーション分析する。 そして、成果が得られた段階で論文としてまとめ、研究会・学会で研究内容を報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
パーソナル・コンピュータの購入を延期したこと、英語論文の校閲サービスを利用しなかったことを主な理由として、それぞれ物品費と人件費・謝金に次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に最新のパーソナル・コンピュータを購入して論文執筆を行い、英語論文の校閲サービスを利用して論文を完成させる。
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