2018年度は、2015年度に行った、端数価格が消費者の購買意図と満足度に及ぼす影響に関する実験調査において実験計画上の課題があったため、課題事項を検討し、再調査を行った。本実験調査は、製品特性(快楽的製品と功利的製品)と使用目的の文脈(快楽的文脈と功利的文脈)の観点から、端数価格が消費者の購買意図と満足度に及ぼす影響について検討する調査であるが、2019年度の時点において収集データの分析を行っている最中である。分析結果は2019年度中に学会等において公表する予定である。 端数価格の影響に関する課題を含む価格設定及び価格提示の課題について、今後はアイトラッキングデータ(視線動向データ)による検証を行う予定であるが、2018年度はアイトラッキングデータの収集方法についての情報収集も行った。 2018年度も2017年度に引き続いて学生指導などの学務が極めて多忙であったため、当初計画していた通りに研究を進めることができなかった。研究期間中に遂行できなかった調査及びその成果の取りまとめについては科研費交付研究期間後も引き続き行い、学会等において成果を報告していく。 また、広義において本研究課題に関連する成果として、書籍『1からのデジタル・マーケティング』にエアビーアンドビーの料金設定に関する事例について執筆し、価格研究を含む消費者行動に関する書籍『消費者行動の実証研究』に消費者の情報探索について執筆し、全体の編集を行った。
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