本研究課題では、日本市場における端数価格が消費者の選好及び購買意図に及ぼす影響について検討した。例えば、快楽的製品と功利的製品という観点から、端数価格の影響について検討した実験においては、端数価格は功利的製品においては影響を及ぼさないが、快楽的製品においては購買意図に影響を及ぼすことが示された。消費者の支払意思額(Willingness to Pay)においても、快楽的製品の場合に高くなり、端数価格が快楽的製品においては有効な価格戦略となりうることが示唆された。また、「1080円」のようなちょうどの価格を少し超える端数価格について検討したところ、選好や購買意図の低減は確認されなかった。
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