研究実績の概要 |
平成28年度において、前年度に続いて以下の地域でフィールド調査を実施した。韓国の釜山地域、中国の成都、臨沂、義烏、鄭州の4地域、日本の東京流通センター、計6地域である。九州北部地域と韓国釜山地域での調査内容を研究ノートにまとめ刊行した(李,2016b;李・金,2017)。この2篇の研究ノートでは、両地域のロジスティクス・クラスターの実態解明を通して、パイロット研究の帰納的推論(李,2014)の検証を行った。 パイロット研究の帰納的推論で示した、3つの組み合わせからなるロジスティクス・クラスター形成の規定要因は、いずれも九州北部と釜山の事例で確認できた。その一方で、クラスター成長のドライバーにロジスティクス・サービスのイノベーションが含まれるという点が新たに発見した。この点は平成28年度に実施したクラスター内流通企業・深せん星利源商貿物流社のケーススタディからも裏付けられた(王・李,2017)。 平成28年度に、中核的輸送サービスの開発とロジスティクス・クラスター形成との関係性を考察するために、「中欧班列」と呼ばれるユーラシア大陸横断鉄道貨物輸送サービスを対象に事例研究を行った(李,2016a)。
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