本研究は東アジアの10地域における物流集積を対象にケーススタディによる理論導出の手法によって以下の主要知見を得た。ロジスティクス・クラスターは生成プロセスによって、輸送ノード・ベース型と商業集積ベース型の2タイプに分類できる。前者の創成には、域内物流需要というプルの力と政府によるノード整備や振興政策というプッシュの力の組み合わせ、コア・ユーザーと多数の中小零細ユーザーの組み合わせ、物流サービスの互換性と多様性の組み合わせが必要である。後者の創成は、物流事業者の立地集約、物流ハブを目指す地方政府の積極的な関与、域外からの物流需要の搬入の3つのファクターが必要不可欠である。
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