本研究は、保険商品販売時に提供されるリスク情報と消費者の認知構造の関係について因子分析を用いて実証的に明らかにするものである。ローリスク保険商品である自動車保険と医療保険と、ハイリスクの外貨建て保険購買時のリスク認知構造を検証し、妥当性のある尺度開発には至らなかったものの,いずれの場合でも「安心・信頼」と「コスト削減」の因子が確認され、リスクの程度が異なる保険商品に対しても共通する保険加入者のリスク認知の構造の解明につながった。また、多くの金融に関する尺度で併存的・構造的妥当性が確認できない中、金融心理尺度に関しては、妥当な測定ができているものと確認された。
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