研究課題/領域番号 |
15K03743
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
片野 浩一 明星大学, 経営学部, 教授 (80387240)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ユーザーコミュニティ / ユーザー生成コンテンツ / YouTube / オープン・メディア / 社会ネットワーク分析 / 新製品普及理論 |
研究実績の概要 |
今年度はユーザー・コミュニティの中でも、オープン・メディアの代表であるYouTubeからのデータ取得と分析に研究を集中した。YouTubeは、これまでの研究対象であったオープン・メディアであるピアプロやニコニコ動画と比べて、動画の種類が多様であり、かつ視聴の規模も全世界と広い。そこで、音楽コンテンツとして、レコードレーベルとボーカロイドの楽曲をそれぞれ企業主導型コンテンツ(FDC)と、ユーザー生成コンテンツ(UGC)の代表として捉え、その公式チャンネルを一定基準で抽出した。 そして、それぞれに属するアーティストのチャンネル600~1,000を選び、作品に関するデータをAPIとして独自プログラムで取得した。そのデータは次の2つの観点から分析した。 (1)公式チャンネルのネットワークと視聴成果の関係 FDCとUGCのチャンネルの登録リストからそれぞれのチャンネル・ネットワーク構造を社会ネットワーク分析から捉えた。自分が登録する他者チャンネルと他者チャンネルが自分を登録する関係が、視聴指標(視聴回数、お気に入り登録数など)にどのように関係するか、因果関係を統計的に分析した。 (2)公式チャンネルの新規投稿動画の再生・普及プロセス 次に、2016年10月から2017年3月までの期間に、それぞれの公式チャンネルから投稿された新規動画の再生プロセスを時系列に取得し、そのプロセスを普及理論などに当てはめて分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の計画と実態調査のデータ取得がスムーズに進み、研究仮説も明確であったために分析と検証が順調だったのが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として、これまでに実施してきたグループインタビュー調査とビッグデータの分析結果を考察して、学会誌論文の形式で執筆するとともに、全体の研究成果を著作物の草稿としてまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の計画支出が予定より少なかったため。また次年度の使用計画分として見込むため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表の旅費交通費、および研究に必要な分析用ソフトウェアと消耗品の購入に使用する計画である。
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