研究課題/領域番号 |
15K03744
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
寺本 高 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (60609915)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ソーシャルネットワーキングサービス / 売場情報 / 投稿 / 反応 / 売上 / ポアソン回帰モデル / 二項ロジスティック回帰モデル |
研究実績の概要 |
平成28年度には,研究実施計画に示した「4.SNSにおけるチェーン小売業の消費者間情報共有の検証実験」を実施した。実験結果のデータは先行して平成27年度に収集したため,平成28年度は,この実験結果データの分析を中心に行った。 具体的な分析では,まず大手スーパーマーケットで2015年11月に「ネタ投稿キャンペーン」と称したイベントを開催し,利用客40人を対象にインテージ社が運営するスマートフォン用SNSアプリの「みんレポ」を使って売場の撮影と投稿をしてもらい,その投稿内容への反応を見た。次に投稿対象となった売場の購買履歴データを用いて売場単位での投稿反応実績と購買実績のシングルソースデータを作成したうえで,対象売場を「ネタになるし売れる売場」「売れるけどネタにならない売場」「ネタになるけど売れない売場」「ネタにも売りにもならない売場」の4つのセグメントに分類した。その結果,「ネタになるし売れる」に該当する売場の特徴として,「大量陳列」「生鮮」「キャラクター」「バラエティ」「美味しそう」というキーワードが挙がることがわかった。「ネタになるけど売れない」の特徴は,「旬」「スイーツ」「ローカル」「新発見」,「売れるけどネタにならない」の特徴は,「なべ」「ボジョレーヌーボー」「焼きいも」というキーワードがそれぞれ挙がることがわかった。 なおこの研究成果については,平成29年3月に発刊された,寺本高(2017)「「ネタ」になる売場は売れるのか?―売場情報のSNS投稿と反応・売上の関係―」『流通情報』第525号,63-72頁,に掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度までに,研究実施計画に示した「4.SNSにおけるチェーン小売業の消費者間情報共有の検証実験」の分析結果まで出すことを計画しており,この計画通り分析結果を出し,論文発表まで済んだためである。しかしながら,ここでの分析結果には課題があるため,平成29年度には,分析方法の改良を行い,研究内容を精査していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に発表した分析を改良したものについて,平成29年6月17日,18日に開催される「日本マーケティング・サイエンス学会第101回全国研究大会」および同年6月22日,23日に開催されるペンシルベニア大学ウォートン経営大学院ベーカー小売研究所主催のカンファレンス(Theme:Consumer Response to the Evolving Retailing Landscape)で発表する予定である。 後者のカンファレンスはAssociation for Consumer Research(米国消費者行動学会)が発刊する学会誌Journal of the Association for Consumer Research(JACR)の特別号への投稿を兼ねたものであるため,カンファレンス後には,研究協力者である,慶應義塾大学清水聰教授とピッツバーグ大学ジェフリー・インマン教授からの助言を仰ぎながら投稿に向けて精査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画時に想定していた宿泊期間より短縮され,その分の残額が積み上がったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度には,海外出張を中心に経費を使用する計画のため,この部分に充当することを予定している。
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