研究課題/領域番号 |
15K03746
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 志乃 関東学院大学, 経営学部, 准教授 (20409626)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 定性調査 / 投影法 / 消費者 |
研究実績の概要 |
本年度は、言語による連想法では把握しにくい潜在的なコンセプトやキーワードを探る手法を探るため、昨年度のパイロット調査に続いて、本調査(家具・インテリアカテゴリの潜在ニーズを探る目的で、30~40代の女性3名を対象に「居心地の良い空間」というテーマでデプス・インタビュー)を3件実施した。 この調査は投影法の経験を積んだデプス・インタビューの専門家にインタビュアーを依頼、研究者立ち合いのもとで行った。デプス・インタビューの中では、イメージ(画像)を用いて潜在意識を探る手法、コリドーテクニック、人物投影法などを用いた。抽象的なテーマから写真素材刺激を用いて対象者にとっての意味や価値を引き出すことを試み、コリドーテクニックと人物投影法では、具体的なインテリアブランド(事前アンケートで確認したお気に入りブランド)から対象者にとってのそのブランドの意味や価値を引き出すことを試みた。インタビューの最後にそれまでのインタビューのなかで出てきた言葉や写真を使って対象者自身に関係マップを作成してもらった。このプロセスは対象者本人によるマップ作成は改めて自分が語った内容を振り返ってもらう点で意味はあった。 インタビュー実施後に改めて、研究者側で分析を実施。具体的には、インタビュー記録を深く読み込みし、潜在ニーズについてラダリング分析を行い、価値に関するキーワードを抽出した。また、それらのキーワードとブランドについての反応から引き出された価値ワードを同じ次元上にマップするなど、潜在ニーズとカテゴリ・ブランドのもつ価値を重ね合わせる作業を行った。 投影法インタビューは実施においても分析においても相当な経験を必要とする。研究者は事前に定性調査の研修においての企画・分析についての指導を受け、更にその研修の講師陣より今回のインタビューの分析に関する指導・アドバイスも受けた上で、分析を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
19年度に予定していた調査を実施し、分析結果をまとめた。 更なる調査の実施について検討中であるが、コロナなど社会情勢を踏まえつつ、進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
19年度に実施した調査(家具・インテリアカテゴリの潜在ニーズを探る目的で、30~40代の女性3名を対象に「居心地の良い空間」というテーマでデプス・インタビュー)の分析結果を整理し、現在それに関する論文を執筆中である。 この調査において投影法を複数組み合わせて使い、潜在ニーズ探るために投影法を用いる際の留意点について一定の知見を得たが、いくつか課題も残った。 家具・インテリア以外のカテゴリで再度調査を実施してケースを重ねたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
19年度は、消費者の深層にあるニーズや価値を探る手法について整理する目的で、定性調査(居心地の良い空間という 抽象的なテーマから深層ニーズを探る調査)を実施した。その結果を整理しつつ、更にテーマを広げた追加調査を予定 していたが、学内業務による多忙のため、今年度予定していた追加調査を実施することができなかった。そのため、補助事業期間の延長を申請し、20年度に追加調査を実施する予定である。
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