眼鏡小売販売額が4000億円に落ち込み(ピーク時の6割)、中小眼鏡小売業や卸売業者数が減少し、眼鏡フレーム生産拠点である鯖江市の生産者数が激減するなど、日本の眼鏡流通システムは大きく変動している。本論は、この大変動の主原因となっている「新業態店」に注目し、その革新性の源泉を検討することを通じて、眼鏡流通システムの構造変化を流通主体間関係の相互依存性の視点から分析した。その結果、眼鏡の商品特性およびそれに起因する独特の取引様式・眼鏡販売者の技術力とそれを支援する眼鏡機器メーカーの技術革新・レンズおよびフレーム生産システムの変化・卸売業者の機能変化が複合的に作用していることが明らかになった。
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