グローバル的な連鎖を見せしめた近年の金融危機や会計・監査不祥事を背景として、企業が開示した財務報告の質をサポートする「監査の質」の重要性が再認識された。こうした実務的ニーズに対応する、学術的・政策的「監査の質」への研究に対する需要の高まりを背景に、本研究では、監査の質に関する総合研究を敢行し、理論・制度・実態・実証の研究アプローチを駆使しながら、監査の質に関わる概念的構築、評価フレームワークと実証的測定を多方面から行うことを目的とする。 最終年度の今年度において、特に、中国の監査市場と監査の質に関する研究を進め、そして、監査の質に関わる研究の日本からの発信を進めてきた。 具体的には、研究業績欄等から確認できるように、関係論文は英文論文を含め11篇があり、特に、特筆すべきは、『グローバル時代における監査の質の探究』(2016年11月)千倉書房,1~420頁。の刊行である。このたびの科研での研究成果は、上記の目的と照らし合わせて、目的達成できたと評価できると考えられる。
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