本研究は,組織間関係における分析を2社間におけるサプライチェーン関係から3社間におけるサプライチェーン関係にまでその範囲を拡張するとともに,売り手企業を起点としたサプライヤーと買い手企業の3社間の関係について分析を行っている。分析の結果,3社間取引の上流部門と下流部門との取引関係の有無および取引期間の長さが,売り手企業の業績に異なる影響を及ぼすことが明らかとなった。また上流部門と下流部門との取引構造は大きく異なっており,従来行われてきた2社間のみのサプライチェーンの分析だけでは,組織間関係におけるリスクやベネフィットを明らかにできないことを示す結果となった。
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