研究課題/領域番号 |
15K03784
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
谷守 正行 専修大学, 商学部, 准教授 (90733824)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 管理会計 / 原価計算 / 銀行管理会計 / 顧客管理会計 / 関係性基準の原価計算(RBC) / 顧客関係性管理(CRM) / クラウドサービス / サブスクリプションサービス |
研究実績の概要 |
平成29年度は「関係性に基づくファイナンス型原価計算」についての理論検証とアクションリサーチを継続し,その成果について以下の通り学会発表や論文投稿を行った。 (1)日本会計研究学会第76回全国大会にて,統一論題「経済環境の変化と会計研究の課題-銀行管理会計の現状と今後の方向性:会計基準と金融規制の影響から」のなかで,本研究成果である「資産活用アプローチの原価計算」を発表。 (2)日本管理会計学会2017年度全国大会にて,「サービス業における顧客マネジメント:関係性に基づく顧客別原価計算の研究(スタディーグループ中間発表)」のなかで「関係性に基づくファイナンス型原価計算」の研究成果を発表。 (3)日本原価計算学会の『原価計算研究』Vol.41のNo.2にて,本研究成果として「資産活用アプローチの原価計算:資産活用型ビジネスからの知見とモデル化」(査読有)を上梓。 (4)日本管理会計学会の『管理会計学』第26巻の第1号にて,本研究の成果として「銀行アカウントフィーに関する管理会計研究:サブスクリプションモデルの適用可能性」(査読有)を上梓。 (5)その他,「サブスクリプションモデルの管理会計研究」『専修商学論集』Vol.105,「銀行の顧客別管理会計の現状と今後:事例研究に基づく考察」専修大学会計学研究所『会計学研究』Vol.43を上梓。 以上の通り,29年度は「関係性に基づくファイナンス型原価計算」に関する理論と検証の研究成果を論文としてまとめることができたことと,さらに,その成果を学会や企業に対して広く積極的に公表することができたということの2つが実績である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関係性にもとづくファイナンス型原価計算の研究成果については,予定通り29年度までに国内の学会報告や論文投稿を行うことができた。ただし,国際的な学会報告については,29年度までに機会を得られず,30年度以降に予定する。 国内の企業における実際の活用検討については,いくつかの銀行やITサービス企業において,本研究成果に基づいて実際に適用が検討されている。現状では,まだ試行のレベルであるが,実際に経営の意思決定,価格設定,マーケティングへの適用が予定されているところもある。その状況からすれば,研究成果の企業への適用に関しては,当初計画以上に進捗しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
29年度は,国内の複数の学会での報告や論文投稿が実施できたので,今後は複数の研究論文をまとめたうえで書籍化を検討する。さらに,30年度は国際的な学会での発表を行い,本研究の成果について海外での有用性や貢献について評価してもらう予定である。
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