研究課題/領域番号 |
15K03785
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
青木 章通 専修大学, 経営学部, 教授 (80338847)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 管理会計 / セールスプロモーション / レベニューマネジメント |
研究実績の概要 |
平成28年度においては、今年度に実施したホテル業に対する予備的な質問票調査の解析を行い、結果に関する文献調査及び数多くのインタビュー調査を行った。ホテル業に対する質問票調査においては、とりわけ価格面からのプロモーションに着目し、販路や外部環境の変化に伴ってセールスプロモーションがどのように変化したのか、そしてそれに伴い内部のマネジメントの仕組みがどのように変化したのかを調査した。調査の結果、需要予測の方法が大きく変化していること、それに伴い担当者の権限が強化されていること、そして成果尺度が販売数量の最大化から収益の最大化に変化しつつあることが明らかになった。また、質問票調査後の回答企業へのヒアリング調査から、ネット上で公開されている口コミサイトの存在が収益最大化を目指す活動に影響を及ぼしていることが明らかになった。ホテル業界においてはレピュテーションと呼ばれており、レピュテーションのマネジメント及びその結果を、モデルに追加すべきであるという仮説を得ることができた。 また、日本と米国のセールスプロモーションのありかた、そしてそのマネジメントの違いについて検討するため、8月に米国のワシントン州を訪問した。州立大学におけるディスカッションおよび資料収集や、複数企業におけるヒアリングを通じて、最終的な質問票調査の作成のための知見を得ることができた。 今年度の研究の成果は、3本の論文(うち2本は共著論文)、3回の学会報告(うち2回は国際学会における報告)としてまとめることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
28年度中に質問票調査を実施する予定であったが、予備的な質問票調査及びその後のインタビュー調査を通じて、レピュテーションの管理をモデルの作成において考慮すべきことが明らかになった。そのため、このテーマに関する文献の収集と研究、質問票にどのように追加するかについての追加的な研究が必要となった。結果として質問票調査の実施を最終年度に行わざるをえなくなった。質問票調査を作成、送付するために、研究費の一部も今年度は使用せずに、最終の29年度に回すことにした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はセールスプロモーションに関する質問票調査を実施し、その結果の解析を通じて、本研究テーマに関する最終的な結論を得る予定である。また、今年度も夏に米国への出張を予定している。 研究成果の報告は、後期以降の国内における学会及び国際学会を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に実施した質問票調査とインタビュー調査より、最終の質問票調査においてレピュテーションの要素を加味すべきことが明らかになった。そのため、28年度の後半はレピュテーションに関するインタビュー調査及び文献調査を実施する必要が生じ、質問票調査を実施することを延期せざるを得なかった。それに伴い、質問票の郵送料等に使用する金額を今年度は使用せず、次年度に使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
質問票調査を実施するための印刷代、質問票の郵送料に充当する予定である。
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