研究課題/領域番号 |
15K03788
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
金藤 正直 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (10451478)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 環境政策 / バイオマス / 食料産業政策 / 産業クラスター / サステナビリティ思考 / 評価マップ / 意思決定カード / バランス・スコアカード |
研究実績の概要 |
今年度は、「研究実施計画」とともに、昨年度の「今後の研究の推進方策等」に示された内容に基づいて、主に2点の研究・調査を行った。 まず1つ目は、昨年度十分に実施できなかった想定シナリオに関する事業担当者との打ち合わせや、同シナリオの評価や検討に関する研究であるが、今年度は、バランス・スコアカードと戦略マップの概念と手法を用いて、十勝地域のフードバレー事業である「フードバレーとかち」の推進プランや戦略プランに基づくシナリオ評価モデルとその評価方法を概念的に提示した。しかし、このモデルを実践的に適用可能なものにしていくための事業担当者との打ち合わせや、評価対象事業を選定するための現地調査は、まだ十分には実施できていない。 2つ目は、上述した想定シナリオの評価モデルを、マイクロソフト(Microsoft)のソフトウェア(エクセル(Excel)、アクセス(Access)、ビジオ(Visio)など)を用いてシステム化していく取組みについては、今年度は、エクセルを用いたシステムモデルを構築できた。しかし、このシステムモデルに、「フードバレーとかち」の事業に関係するデータを持たせ、この事業をより良い方向に展開していくためのシミュレーション評価としての利用方法や、事業関係者との意見交換に基づき、その仕様のカスタマイズまでは十分に検討できていない。 今年度に実施した以上の研究・調査成果の一部は、国内の研究論文(大学紀要)や学会報告でも公表されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、「研究実施計画」と、昨年度の「今後の研究の推進方策等」の内容に基づいて、研究・調査を有効的に進めていく予定であった。 しかし、本学部の執行部に就き、その業務(学内あるいは学部内の委員会業務や入試業務など)を優先的に行わなければならなかったことから、昨年度に実施すべき事業担当者との想定シナリオの作成や、シナリオ評価手法の実践適用可能性の検討が十分にできなかった。また、これに加えて、今年度実施すべきシナリオ評価手法に基づくシステム構築と、それを用いた評価対象事業のシミュレーション技法や事業担当者との意見交換によるシステムのカスタマイズ作業もできなかった。 以上から、今年度は、「(3)やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度十分に検討できなかった、十勝地域や新潟市などにおけるフードバレー事業担当者へのインタビューと現地調査を通じて行われる意見交換による想定シナリオの作成と、その評価手法の実践適用可能性とともに、マイクロソフト(Microsoft)のソフトウェア(エクセル(Excel)、アクセス(Access)、ビジオ(Visio)など)を用いた同シナリオの評価手法に基づいたシステム構築と、そのカスタマイズの方向性について研究・調査を進めていく。 以上の研究・調査の取組成果の一部は、今年度と同じように、国内外で開催される学会や研究会、また、現在所属している学会の学会誌や、大学・大学院の紀要などを通じて発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、本学部の執行部に就き、学内あるいは学部内で開催される委員会や入試などの業務を優先的に行わなければならない状況になり、研究計画の変更や見直しが必要になったために、次年度使用額が生じた。 次年度は、「フードバレーとかち」の事業担当者との想定シナリオの作成や評価手法の実践適用可能性、また、その評価手法のシステム化の方向性を検討するにあたって、そのための諸文献(著書、論文、報告書、雑誌・新聞記事など)の購入および印刷に関する費用、フードバレーの事業担当者との打ち合わせや意見交換を行うための旅費、そして、システム構築のための協力者への謝金が必要となる。さらに、研究・調査の取組成果の一部は、今年度と同じように、国内外の研究論文や学会報告を通じて公表していくことから、論文作成に要する諸文献の購入費と印刷費、そして、学会報告会場までの旅費が必要になる。
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