研究課題/領域番号 |
15K03793
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小宮山 賢 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (00623117)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 特別目的事業体 / 連結の範囲 / 有価証券報告書 |
研究実績の概要 |
本研究では、 わが国特別目的事業体 (SPE) の利用状況を広く調査・分類し、連結情報における会計処理と開示の状況を把握して、国際的な比較可能性への影響を検討することを目的としている。本年度は、前年度に引き続き、 平成28年1月期から平成28年12月期までの期間について有価証券報告書のデータベースを中心に、法形態別に、SPEの利用実態について調査と把握を継続した。ここでの法形態は、株式会社以外の、匿名組合、投資事業有限責任組合、任意組合、投資事業組合、協同組合、有限責任事業組合、信託、合同会社、特定目的会社を対象としている。分析の結果からは、匿名組合、投資事業有限責任組合、合同会社の利用が多い傾向が見られている。 海外における諸基準の制定・改訂の原因となった事件・背景と 改訂のねらいについての文献・情報の収集を継続した。 さらに、最近の状況の情報を入手するため、2016年5月及び9月に開催された国際会計基準審議会(IASB)主催に会議に参加又は傍聴した。 日本企業のIFRS採用が増加しつつあるところから、2016年3月期を中心に、連結の範囲や組成された事業体の開示状況の調査に着手した。 さらに、本研究と密接な関連を要する仕組みである「リスク分担型企業年金の会計処理」と「公共施設等運営権の会計処理」について、企業会計基準委員会から実務対応報告の公開草案が公表されたため、研究者の立場から、公開草案に対するコメント提出を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
有価証券報告書のデータの分析は、概ね順調に推移してきている。日本企業のIFRS基準での開示状況や次の項に記した新たな利用形態への調査はやや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの分析から、多様な利用形態のほとんどが連結の範囲から除外されていた事例が減少してきており、その一方で退職給付制度、持株制度、公共施設の運営等に、特別目的事業体と類似しているとも思われる形態が現れてきている。これらについても、連結の観点から加えてみる必要が出てきている。
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次年度使用額が生じた理由 |
情報処理機能の高いパソコンを当年度中に調達しなかったことにより生じた差額である。
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次年度使用額の使用計画 |
必要性は変わらないため、次年度の初めに購入し使用予定である。
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