研究実績の概要 |
平成29年度の研究目的は、原則主義アプローチ下でのIFRS運用能力や専門的判断力、及びその検証を行うことを目的としていた。 年度内に、名古屋大学の角ヶ谷典幸先生と当該テーマに該当する共同研究「The Impact of Social Influence Pressures, Commitment, and Personality on Judgements by Auditors: Evidence from Japan」を行い、論文を「Journal of International Accounting Research」に出版した。本論文は、日本の監査に携わる公認会計士の専門的判断が上司や監査法人の方針からの圧力や同僚からの圧力により影響を受けるか否かにについて調査した研究である。データはシナリオを含んだ質問票を用いた実験研究であった。結果としては、上司や法人の方針による圧力は、会計士の判断に有意に影響を及ぼし望まれない監査結果を導出するが、逆に同僚からの圧力は有意な影響は見られなかった。 また、海外のサンプルデータを用いた国際比較研究については、10月にイタリア・ボローニャ大学においてアクティブラーニングを採用した授業を受講した学生から授業のログブックとしてデータ収集を行なった。データの分析は次年度中に行い、論文として完成させることを考えている。 平成29年度に出版した論文は合計3本、著書は共著を1冊(うち3章を執筆)した。また、既に論文作成を終え、投稿した論文が2本ある。学会報告は海外で1回行い、研究内容をブラッシュアップすることに努めた。
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