本研究では、(1)法規制等で強制されなくても企業の利害関係者(とくに株主と経営者)により会計士監査が要請されたという歴史的事実があること、(2)(1)のプロセスは新古典派経済学の理論(エージェンシー理論およびゲーム理論)を用いて論証可能であること、(3)会計士監査に関する規制は巨額の会計不正の発覚後に強化されるという歴史を繰り返していること、および(4)自由市場もしくは規制市場のいずれの市場においても会計士監査がその意義と機能を効果的に発揮するには監査人の独立性が必要不可欠であることが明らかになった。
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