現代日本の家族生活と労働システムの相互性に関する研究：英国との比較から

2015 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K03819
• 研究機関: 城西国際大学
• 研究代表者: 品田 知美 城西国際大学, 福祉総合学部, 准教授 (00573049)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 生活時間 / 親子生活 / 子ども / 家族 / 雑誌

研究実績の概要

本年度については、立ち上げ年度であることから、研究協力者とともにミーティングを複数回開催し、今後の研究計画において、どのような分担が可能かを具体的に調整するところから開始した。また、本研究の２つの目的のうち、日本および英国の核家族において、日常の生活様式の選択および水準維持が、子どもを持つことや働きかたへの理想とどのように関連しながら現実に選択されているのか、ミクロな家族システム内で生じている力学に関する知見を得るという第一の目的について、実際に以下の研究を実施することができた。
１. 小学生の子どものいる親たちの生活時間配分の理解のために、社会階層の視点を入れた上で属性ごとに詳細に比較.
社会生活基本調査報告のB票詳細分類ににもとづいた公開データについて、過去にえられた属性による比較を踏まえ、性別、就業状況や職業、学歴および家族状況、などについて再整理した。
2. 日本において、小学生の子どものいる親たちに期待されている生活様式の水準を、メディアに表現されている現実から、社会階層の視点を入れた上で整理するための知見を整理し議論した。結果としては、主に広く出版され手に取りやすいスーパーマーケットなどに置かれている雑誌メディアを中心に地域性を加味した比較を行う方針とし、適切な雑誌の選定に至ることができた。今後は決定されたリストに基づいてこれらの雑誌を入手し、内容について比較検討することによって、日本の親たちに期待されている生活様式の水準はどのあたりにあるのかを整理する。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

開始年度で立ち上げに時間がかかったこと、また研究協力者の所属が変わるなど状況が変化したこと、また、研究代表者が他の教育および研究に時間を使わざるをえない状況が予定を超えて発生し、十分に本研究のためのエフォートを確保できなかった。

今後の研究の推進方策

今年度より研究協力者のうち1名の所属が変更となり研究分担者となったことで、予算の執行等含め、より独立性のある研究の推進体制が整うと期待される。また、今年度については本研究に集中できる体制が代表者も整ったため、より円滑に研究が進められる状況となっている。さらに、研究協力者をもう1名依頼して、実査に関してペースアップをしたい。したがって、本年度は当初研究計画どおりの進行を予定している。

次年度使用額が生じた理由

海外発表を予定していた国際生活時間学会の場所と時期等が大学のスケジュールとの関係で調整ができず、執行できなかったため。

次年度使用額の使用計画

適切な時期と場所で開催される国際生活時間学会での発表を、研究計画期間中に実施し予算を執行する予定である。