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2017 年度 実施状況報告書

ガバナンスのリスク社会論・監査社会論的研究――資本主義と民主主義の現代的変容

研究課題

研究課題/領域番号 15K03820
研究機関大妻女子大学

研究代表者

正村 俊之  大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (00209420)

研究分担者 加藤 眞義  福島大学, 行政政策学類, 教授 (60261559)
小松 丈晃  東北大学, 文学研究科, 准教授 (90302067)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードコーポレート・ガバナンス / リスク・ガバナンス / 監査 / 近代民主主義 / 近代資本主義 / 情報化 / 貨幣 / 権力
研究実績の概要

1980年代以降、情報化、グローバル化、そして新自由主義的改革の進展に伴って、現代社会では「ガバメントからガバナンスへ」、「産業社会からリスク社会へ」の転換が進行した。本研究の目的は、このような現代社会の変容を、「ガバナンス」と「リスク」をキーワードにして理論的かつ実証的に解明することにある。
初年度は、企業の統治原理であるコーポレート・ガバナンスが経済の領域を超えて、教育・福祉など、さまざまな社会領域に浸透しつつあることを明らかにした。次いで次年度は、「監査」概念とともに「リスク」概念が拡張され、監査や評価の仕組みを組み込んだリスク管理がガバナンスの原理になりつつあることを明らかにした。
そして、昨年度は、これまでの研究成果を踏まえて『ガバナンスとリスクの社会理論――機能分化論の視座から』(勁草書房)を刊行した。執筆者には、研究分担者ではないが、本研究のメンバーと共同研究を行ってきた高橋徹氏(中央大学)と荒川敏彦氏(千葉商科大学)が加わった。その一方で、本研究のメンバーの加藤眞義氏(福島大学)は、諸般の事情のため執筆には加わっていない。本書は、政治、経済、宗教、科学といった社会領域を取り上げつつ、現代社会のガバナンスとリスクの特質を分析したものである。
また、研究代表者である正村は、以上の共同研究の一環として『主権の二千年史』(講談社選書メチエ、単著)を執筆し、今年6月に刊行されることになった。本書は、本研究の基本的なテーマである「近代社会の機能分化」に関連づけて近代民主主義の歴史的な形成過程を説明し、「機能分化の変容」とともに近代民主主義が危機に陥ったことを解明したものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

最初の2年間の研究は計画以上に進展し、3年目で研究成果を纏める作業に入ったが、本の執筆過程で予想以上に時間がかかった。すでに共同研究の成果として上記の本を刊行し、また研究代表者の正村が4年前に刊行した『変貌する資本主義と現代社会――貨幣・神・情報』の続編として、民主主義に関する今回の本を執筆したので、当初の目標はほぼ達成しつつあるが、3年目に予定していた研究が残っている。

今後の研究の推進方策

本研究の最終的な目標である「機能分化の変容」に関しては、まだ研究分担者の間で意見の相違がある。この点について、さらに議論を行い、認識を深めていく必要がある。最後の年度は、この問題を掘り下げることに費やす。

次年度使用額が生じた理由

先に述べたように、最初の2年間の研究は計画以上に進展し、3年目で研究成果を纏める作業に入ったが、本の執筆過程で予想以上の時間がかかったため、研究が遅れ、研究期間を延長した。翌年度分として請求した助成金は、最後の研究課題(機能分化の変容に関する理論的解明)を達成するための書籍・資料の購入および会議のための出張費等にあてる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 主権の二千年史2018

    • 著者名/発表者名
      正村俊之
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      講談社
  • [図書] ガバナンスとリスクの社会理論――機能分化論の視座から2017

    • 著者名/発表者名
      正村俊之編
    • 総ページ数
      180
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2018-12-17  

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