研究課題/領域番号 |
15K03844
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 玲子 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (30432884)
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研究分担者 |
坪田 邦夫 明治大学, 農学部, 客員教授 (40432885)
平野 裕子 (小原裕子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50294989)
大野 俊 清泉女子大学, 文学部, 教授 (10448409)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 移民 / ケア労働 / グローバリゼーション / 市民社会 / 東アジア / 東南アジア |
研究実績の概要 |
本研究は少子高齢化と女性の社会進出のもとで進められている東アジアのケア労働者の国際移動を次の3つの視点から比較研究することを目的とする。第1にメゾレベルにおける移民レジームとケアレジームの制度分析、第2に移民によるケア労働の実践とケア労働の構築過程、第3に移民ケア労働者受入れの制度設計とケア労働の実践との相互関係を検証することを目的とする。 本年度は韓国と日本で調査を継続して行った他、これまでの研究成果を取り入れる形で2つの出版プロジェクトが動いている。第1に、2016年3月に国立台湾大学で開催したPolicy and Practice for Foreign Domestic and Care Workers in Asia での議論を企画書としてまとめ、学術ジャーナルの特集号として申請したところ、Routledge のAsia Pacific Journal of Social Work and Development に採択され、Guest Editor としてOpen Callから編集までを担当することとなった。第2に、昨年から開始されたPalgrave の論文集Gender, Care and Migration in East Asia(仮題) の執筆と編集も継続して行っている。本書は台湾、香港、シンガポール、韓国、インドネシア、日本の社会政策と移民研究の専門家による執筆であり、本研究の問題意識と研究内容を反映したものとなる予定である。 その他、研究成果はAAS やISAなどの国際学会や国内学会などで報告し、フィードバックを得るようにすると同時に、他の学会やシンポジウムで討論者を務めるなどして研究の幅を広げるべく努力した。また、今年度は移民・難民の国際会議であるメトロポリス会議で日韓の結婚移住女性を招聘してパネルを組み、研究と実践を結ぶ試みも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
出版企画を2つも抱えてしまったために慣れない編集作業に膨大な時間をとられ、自分の研究の時間が大幅に減ってしまった。一方で国際共同研究を推進し、成果をタイムリーに社会還元し、学術的・社会的なフィードバックを得ることも重要であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は研究成果のとりまとめとして、2つの出版プロジェクトに全力で尽力する予定である。現在、ジャーナルは投稿論文を査読に出している段階であり、10月までに共著のイントロダクションを執筆しなければならない。書籍はまだ全ての原稿の最終稿が固まっていない段階であり、序章を推敲して確定し、終章の執筆を行い、インデックスを作成する予定である。それ以外は、イタリアと台湾の国際会議での報告と国内学会でのパネル企画及び報告がすでに決定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が別の研究課題及び学内業務に忙殺されたため、予定していた研究計画の一部を遂行することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
分担者2名は出版予定の書籍に原稿を執筆しており、調査を継続する予定である。
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