研究課題
本年度はこれまでの研究成果のとりまとめとして2つの出版物を完成させた。第1に香港、台湾、日本の編集チームによるGender, Care and Migration in East Asia と題する論文集をPalgrave Macmillan から出版した。本論文集は、1)ミクロレベルにおけるケアの構築と実践に関する実証分析、2)移住労働者のウェル・ビーイング、3)東アジアの移住・ケアレジーム、という3つから構成されており、香港、台湾、シンガポール、韓国、日本のケースを網羅し、このテーマに関する包括的な知見を提供している。第2にRoutledge のジャーナルAsia Pacific Journal of Social Work and Development に Migration and Care Work: Policies and Practices と題する特集号を完成させた。本特集号には、受入国である香港、日本、韓国、台湾だけでなく、送り出し国であるインドネシアからの論文も所収されており、ケア労働をフォーマル化するための政策と現実の乖離について実証的に論じている。これらの出版には東アジアの社会学や経済学、ジェンダー研究や社会政策の第1人者と若手の研究者が関わっており、移住ケア労働者の存在を可視化し、高齢化する東アジアの社会政策の共通の課題として位置づけるための土台を構築することができたのではないかと思われる。その他、イタリアで開催されたケアの国際学会、国際政治学会、台湾やフィリピンの国際会議などで報告を行った他、台湾の移住ケア労働者の支援NGOの代表を招聘し、日本平和学会で東アジアの国際移動と市民社会に関するパネルを組み、労働組合やNGOと共に講演会を開催し日本の市民社会とのネットワーク構築につとめた。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 オープンアクセス 8件、 査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 図書 (3件)
Ogawa, R., Chan, R.K.H., Oishi, A.S., Wang, L.-R. (Eds.), Gender, Care and Migration in East Asia, Series in Asian Labor and Welfare Policies
巻: = ページ: 1~22
10.1007/978-981-10-7025-9_1
巻: = ページ: 181~204
10.1007/978-981-10-7025-9_9
巻: = ページ: 205~213
10.1007/978-981-10-7025-9_10
巻: = ページ: 157~179
10.1007/978-981-10-7025-9_8
社会学評論
巻: 68巻4号 ページ: 496-503
Handbuch Interdisziplin Geschlechterforschung, Springer VS, Wiesbaden
巻: Vol 65. ページ: eBook
10.1007/978-3-658-12500-4_148-1
Asia Pacific Journal of Social Work and Development
巻: Vol. 27, Issue 3-4 ページ: 111-114
doi/full/10.1080/02185385.2017.1408884
巻: Vol. 27 Issue 3-4 ページ: 187-194
doi/full/10.1080/02185385.2017.1406821
International Nursing Review
巻: Vol. 64, Issue 4 ページ: 494~501
10.1111/inr.12352