本研究の目的は沖縄において南米系日系人がホスト社会とどのような関係を築いているかを実証的に分析することである。本研究では移動のプロセスやネットワーキング等についてのインタビュー調査を通して、彼らの①ホスト社会との接点、②文化資本に基づくネットワーキング、③文化資本の継承について分析した。結論としては①沖縄において親族関係や日系人の両方のネットワークを築いていること、②ラテンアメリカ文化資本が架橋的社会関係資本となって結束的な沖縄社会と関係性を築いている人が多いこと、③文化資本の継承については公的な側面では困難であるが、私的な部分で日系人としての意識づけがなされていること、があきらかになった。
|