研究課題/領域番号 |
15K03855
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研究機関 | 宮崎公立大学 |
研究代表者 |
阪本 博志 宮崎公立大学, 人文学部, 准教授 (10438319)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歴史社会学 / メディア史 / ライフヒストリー / 大衆社会化 / 大宅壮一 / 出版文化 |
研究実績の概要 |
本年度のおもな研究成果は次の3点である。 第一に、近現代日本において大衆社会化が進んだ1920年代と1950年代における活字メディアに見られる連続性を明らかにした論考を発表した。 第二に、上記1920年代と1950年代のあいだに位置する戦時期における大宅壮一(1900-1970)の活動を明らかにした。この活動とは具体的には、戦時映画への関与である。これを踏まえ大宅の戦争体験が1950年代の活動にどのような影響を及ぼしたのかについて考察した学術論文を発表した。この知見については、『東京人』2016年2月号に拙稿「没後45年「マスコミの王様」大宅壮一の知られざるプロパガンダ映画」を寄稿し、広く社会に伝えた。 第三に、1920年代・戦時期・1950年代の社会的・メディア史的背景と大宅のライフヒストリーについて、第二の知見を踏まえた論考を2016年刊行の単行本において発表予定である。 上記のほか、現在の日本社会における雑誌ジャーナリズムについて検討を加えた論考を作成した。また、歴史社会学の学説について整理した解説を執筆した。これらは、2016年に刊行される単行本に収録される予定である。学会においては、日本マス・コミュニケーション学会2015年度春季研究発表会において、1940年代後半から1960年代にかけてのメディア史を扱った「マンガ研究とメディア研究――「漫画化」を手掛かりに」と題したワークショップの司会を務めた。大宅が最晩年の1967年から1970年にかけて主宰した「大宅壮一東京マスコミ塾」についても調査をおこない、同塾と大宅についての研究の中間報告を日本出版学会2016年度秋季研究発表会においておこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の計画に沿って研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も今年度に引き続き調査をおこない、そこで得た知見を学会等にて報告するほか、論考にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画で想定していた、調査にかける時間よりも、原稿執筆のために時間を要することとなった。そのため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
調査ならびにそこで得たデータの整理等のための費用(インタビュー調査で得た音声データの文字起こしにかかる費用、文献調査で得たデータを整理するための文房具の代金、また整理のための謝金)として使用する計画である。
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