研究課題/領域番号 |
15K03866
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
川崎 賢一 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 教授 (20142193)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 文化政策 / 文化産業 / 文化制度 / 文化的グローバル化 / シンガポール / 創造都市 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、シンガポールの文化制度の現状を把握することと、同時に、日本の状況を明らかにすることに重点を置いた。 第一に、シンガポールについては、平成27年8月と平成29年2月にシンガポール調査を行った。前者では、この年に亡くなったリー・クアンユー元首相の葬儀やその後の状況に関する資料を集めた。また、8月9日の独立記念日を中心とした、シンガポール政府の政策やシンガポール国民の対応を、現地で直接見学そして調査(インタビュー)をすることができた。また、シンガポール国立大学を訪れ、インタビューと東南アジア研究所などで関係資料を集めた。そして、平成28年2月の調査においては、その後のシンガポールの動向を調査し、関連の関係者にインタビューなどを試みた。今回は、大学関係者(南洋工科大学教授など)、政府系のNPOの中核的な存在で、映画や音楽をカバーしている団体と関係者、そして、在シンガポールに駐在する関係者(ジェトロ、日経新聞社、など)。またシンガポール現代美術館やギルマンバラックなどヴィジュアルアート関係を見学し、資料を収集した。インタビューと資料収集は、まだ集めていない領域などがあり、平成28年度以降も継続して行われる予定である。 第二に、日本に関しては、基本的にデータを収集し、文化予算・芸術至上・コンテンツ産業関連、などの資料を幅広く収集した。(例えば、文化庁、東京都、名古屋市、京都市などの行政や野村総研などのシンクタンクも含まれる。)また、できるだけ直接資料を収集し始めており、各種学会(文化経済学会、文化政策学会など)大会にも参加し、多くの情報を収集している。これらについても、兵士28年度以降継続される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度においては、今大きく変わろうとしているシンガポール社会と文化に関して、2度にわたる調査によって、その変化を経験することができ、また、資料収集やインタビューに関しても、多岐にわたり順調に計画を遂行している。 しかしながら、今回計画で予定していた行政関係者については、大きなイベントが開催された関係で、十分なインタビューができていないところもあり、これについては、平成28年度において、継続して調査を行う予定である。ただ、大枠としてみると、順調に推移していると考えられるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度においては、平成27年度からの継続を、基本的にする予定である。本年においては、海外における2度の調査と、国内における資料収集や調査、の2つが中心となる。具体的には、海外とは、8月にシンガポールと関連のあるマレーシアのクアラルンプールとタイのバンコクに行き、文化芸術システムについての調査を試みる予定であり、来年2月にシンガポールにおいて行政を中心としたインタビューを予定している。 また、国内においては、平成27年度からの基礎的な資料収集を継続して、様々な国や様々な領域に関する資料を補強する予定である。また、関連の団体や研究者・実践者などにもできる限りインタビューや資料収集をしたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用額全体については、おおむね計画通りであった。しかしながら、人件費の項目において、アルバイトをお願いしていた院生が、個人的事情で母国の中国に一時帰国し、また、修士論文作成のために、予定していた資料の整理を十分にするところまではいかなかった。その点において、次年度使用額が生じた理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度においては、平成27年度の経験を生かし、人件費の項目で、東京芸術大学で非常勤をなさっている方に、アルバイトをお願いすることにして、資料整理などを本格的に進める計画である。また、次年度使用額においても、このアルバイト使用に重点をいて使用しているつもりである。 いずれにしろ、本年度において次年度使用額が多く出ないように、計画を円滑に進めていく予定である。
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