3年目の研究期間においては、2回のシンガポール出張を中心にして、最後にまとめの報告書を作成する方向で進めた。1回目の出張においては、8月に実施し、国立図書館、東南アジア研究所図書館、を中心に資料を収集した。また、国立シンガポール大学において数名のインタビューを行い、また、芸術文化団体関係者にも面会した。また、毎年8月9日のシンガポール独立記念日に宿泊し、関連の資料を集め、シンガポールにおけるナショナリズムの推移を観察した。そして、第2回目の出張は2月に行われた。ここでは、報告書作成中生じた疑問を可決すべく、8月と同じく、国立図書館、東南アジア研究所図書館を訪問した。また、東南味研究所副所長と面会し、シンガポールの芸術文化制度の歴史的変遷とアセアンとの関連について意見を聞いてきた。また、シンガポール国立大学の研究者とも交流を図った。また、芸術文化制度に関連する、主要な文化施設(国立博物館、国立美術館、国立審美術館)、なども訪問しなおし、改めて今後の方向などを探った。 以上の他にも、現地では情報収集に努め、シンガポール在住ないし隣接のジョホールバル(マレーシア)在住の現地の方にインタビューをしたり、日本の関連事務所(ジェトロ・シンガポールなど)でシンガポールの現況と日本企業の現状について資料を集めた。 日本においては、シンガポール研究会を駒澤大学で開催し、日本におけるシンガポール研究の現状を把握するように努めた。 さらに、3年間の研究成果をまとめるために、2018年の1月より3月上旬にかけて、報告書の作成を行い、3月18日付で、「転換期にあるシンガポールの文化制度:グローバル創造都市の新たな展開」として、3章立ての報告書を作成することができた。
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