本研究では郵送調査、モニター調査、インタビュー調査を行い、家族概念を再検討した。 2018 年度に実施を計画している第4 回全国家族調査(National Family Research of Japan)に先立ち、多様化するライフコースに応じた家族調査の手法を検討、提案することが本研究の目的である。 初年度はライフコースの多様化による家族概念ならびに調査方法の再検討を行った。その成果は、『家族社会学研究』 28(2)に掲載されている。第2年度目は、第1回全国家族調査(NFRJ98)、第2回全国家族調査調査(NFRJ03)、第3回全国家族調査(NFRJ08)から、10年間におきた家族の変化とかわらずにあるものを整理し、第26回日本家族社会学会大会においてラウンドテーブル「NFRJ98-08は何を明らかにしてきたか」において、学会員を中心に広く議論を行った。 第3年度目は、第4 回全国家族調査(NFRJ18)のためのプレテストを行った。調査対象者の離死別経験、自身の親との継親子里親子関係、自身の子どもとの継親子里親子関係、多様なパートナーシップについての態度、家事の合理化についての実施状況などを新規に追加する調査項目として組み入れて調査を実施した。 家族の多様化、生活の多様化は、調査の内容だけでなく調査方法も変更すべき点があるため、調査方法についても複数の方法を比較した。従来の訪問留め置き調査との比較から、①郵送調査(調査地:首都圏のA市、対象者:500名を無作為抽出、回収率:約40%)、②インタビュー調査(郵送調査のうちの応諾者約60名)、③モニター調査(調査地:全国、対象者:調査会社のモニター1200名)を行い、調査方法による回答の違いについて検討し、それぞれのメリット・デメリットを整理した。
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