この研究は「ペギーダ」やAfDのディスコースを検討しながら,近年ヨーロッパで台頭している排外主義や右翼ポピュリスト政党に関する新たな視座を提供した。特に右翼ポピュリズムについてはこれまで,「左と右」という対立軸で語られることが多かった。しかしAfDは「ナショナル対グローバル」という対立軸を用いて,「世界に開かれた」(「グローバル」な)連邦政府や主要政党を攻撃し,自国民優先の主張を打ち出し,正当化した。「左と右」の対立軸と交差する関係にあるこの対立軸により,AfDは幅広い政治的スペクトルムからの支持を獲得し,旧来の極右の狭いニッチを超えた広い支持層を確立することにある程度成功した。
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