研究課題/領域番号 |
15K03878
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
松井 隆志 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (70710341)
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研究分担者 |
道場 親信 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (60287951) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 社会運動 / 国際連帯 / NGO / 運動史 / ネットワーク / インタビュー / アーカイヴ |
研究実績の概要 |
2016年度の研究実績は以下のとおりである。 東京でのワークショップ形式での調査は計2回、それぞれ数時間の聞き取りになった。これ以外に、1件、調査対象者の自宅に出向いてのインタビューを行った。これらの調査から、1970年代以降の国境を超えた運動のネットワーク(具体的には、フィリピン、タイ、韓国とのつながり)について、さらに詳しく明らかになった。また、山形県に出向いての調査を1回行い、現地で関係者に集まってもらい、そこで集団での聞き取りを行った。この調査から、1970年代に開始された運動のダイナミズムが、地方や農家の運動も巻き込んで展開した具体的な様相が明らかになった。 一方海外調査として、フィリピンと香港に1回ずつ、タイは2回にわたって渡航し、インタビューを行い、記録した。フィリピンでは日本との連帯運動の一端について、香港では日本を含めた東アジアの運動のネットワークの中心人物について、明らかになった。タイにおいては、5人に対してのインタビューを記録した他、運動を担った当事者同士の振り返りの会に参加し、その模様を記録した。これらのインタビューから、日本から始まった運動のネットワークが、アジアに伝播していく様子がより明確になった。 また、上記インタビューを中心とした研究の他に、1969年に日本で刊行された英文雑誌『AMPO』について、その記事内容自体や執筆・編集の背景について、当事者の聞き取りと研究協力者らでの検討を同時に行う形で、2016年度から集団での研究に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度の進捗は若干遅れていた状態で、2016年度半ばには研究分担者の死没というアクシデントに見舞われたものの、2016年度当初から研究分担の引き継ぎ等も完了しており、遅れを取り戻すための計画も既に立てていた。研究協力者のサポートもあり、本来2016年度までに進めるべき内容で、おおむね順調に進捗した。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は、東京でのワークショップ形式での調査を進めつつ、インタビューを行いそびれている地域について、国内調査と海外調査を行う。また、それらに加えて、研究の最終年度として、調査記録のアーカイブ化に向けた取り組みを本格化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー記録の文字起こし業務への依頼が遅れており、次年度の使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度に計上していた金額と合わせて、インタビュー記録の文字起こし代金にあてる予定である。
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