2017年度の研究実績は以下の通りである。 国内での調査は、まず東京でのワークショップ形式での調査が計2回、それぞれ数時間にわたるインタビューを行い、記録した。上記2名のインタビューからは、1960年代から70年代への連続性や、70年代において新たに展開した活動の内実が明らかになった。またこの他に、大阪と札幌にそれぞれ出向いての出張調査を行った。大阪では計2名に対してそれぞれ数時間ずつのインタビューを行い、記録した。札幌では調査対象である集団の当時の関係者に集まってもらい数時間の集団インタビューを実施し、記録した。大阪での調査では、それぞれフィリピン、韓国との日本からの国際連帯運動の一つが、どのように始まり展開したか、具体的に明らかになった。一方札幌での調査では、北海道で先住民族の国際会議を行った際のプロセスやその意義などが明らかになった。 海外調査としては、フィリピンと北米合州国でインタビュー調査を実施した。フィリピンでは、キリスト者として人権問題に取り組んできたキーパーソンに、国際連帯運動との関係についてインタビューを行い記録した。また北米合州国では、1970年代に日本で発行された英文メディアへの協力者・執筆者だった関係者にインタビューを行い記録した。これらにより、日本からの国際連帯運動の具体的ネットワークの一端が明らかになった。 また、上記英文メディアの一つであった英文雑誌『AMPO』について、中心人物への聞き取りを兼ねた研究会を、2016年度以降継続し、2017年度も10回ほど開催した。
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