研究課題/領域番号 |
15K03894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中村 正 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90217860)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / 子ども虐待 / 男性性 / ジェンダー / 暴力 / 加害者臨床 / 親密な関係性 / 家族 |
研究成果の概要 |
暴力が遍在する社会のなかで個々の暴力加害者が自らの暴力を語ることは難しい。仮に事実としての暴力を振るったことを認めた場合でも、責任を認め、内省を深め、贖罪をなし、行動を変化させることは至難の課題である。暴力に対して、その加害者個人のパーソナリティだけに要因を帰してしまうのではなく、社会のなかに暴力を肯定する意識や態度があり、それを凝縮するようにして加害男性の人格と行動があり、暴力を表出させていると把握し、暴力臨床へと向かう受講命令制度の必要性と効果についての基礎研究とした。男性性ジェンダーからの暴力論を構築しつつ虐待ともかかわり介入した後の脱暴力支援に向けた変化の諸過程を把握した。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2000年代に入り、何らの関係性にある者同士の対人暴力問題への対応が進んでいる。ストーキング、DV、子ども虐待・高齢者虐待、面前DV、恋人間暴力等への介入である。なお未着手の課題は加害者対策である。本研究の学術的意義としては、親密な関係性における暴力の理論を事例検討の手法をとおして展開してきたことがあげられる。さらに、臨床社会学的な社会制度として、DV事案での保護命令、ストーキング事案での接近禁止命令、子ども虐待の事案での親子分離に賦課して命令を指示する制度がある。離脱にむかう脱暴力の機会提供としてできることを根拠づける治療的司法論を提案したことと重ねて社会的意義があると考える。
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