| 研究課題/領域番号 |
15K03906
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| 研究機関 | 福岡女子短期大学 |
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研究代表者 |
加藤 朋江 福岡女子短期大学, その他部局等, 准教授 (90296369)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 原発避難 / 首都圏 / 福島原発 / 子育て / 家族 / ディアスポラ / 社会学 |
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| 研究実績の概要 |
実施した研究の具体的な内容としては（１）家族社会学や社会調査法の事例研究および方法論を扱った文献資料の蒐集と分析、（２）福島第一原子力発電所の事故から九州各地に避難・移住した世帯の聞き取り調査と参与観察、（３）今後の研究を取りまとめるための方法論の構築、具体的には各種の学術学会、研究会、論文検討会への参加と報告、（４）平成29年度に実施するWEBによる質問紙調査の設計と実施についての調整、である。
（１）については、日本国内において出版された書籍や論文、雑誌記事において未入手であったもの、および新たに2016年度に刊行されたものを中心に購入、または文献の複写をおこなった。今年度はとくに、家族社会学の知見をもとに書かれている書籍やテキストマイニング等の方法論を扱った文献資料に着目して購入をすすめている。
（２）については、これまでは福岡市への避難・移住世帯を中心に聞き取り調査を進めてきたが、広く九州各県にその範囲を拡大し、北九州市、久留米市、佐賀市、熊本市等における移住世帯に話を聞いた。そのうちの何人かの方は、地域における避難・移住世帯のネットワークを自ら作り、その輪の中で他の世帯との情報の共有を進めたり、支援を続けている地域のリーダー的な存在であり今後の考察の方向性を固める上で参考になった。
（３）については、社会学の研究グループ、共著を出版予定の研究チーム、そして九州大学の異分野融合テキストマイニング研究会に参加し、論文の構想の報告やテキスト報告、ディスカッションをおこない、とくにテキストマイニングの手法を学ぶ上で重要な示唆を得ることができた。
（４）については、質問紙調査の協力者である生協総合研究所の研究員の方と複数回の打ち合わせをおこない、質問紙の設計をおこなった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
まず、当初の計画においては、聞き取り調査において避難世帯のみならずその関係者で首都圏在住の方にも対象を広げ話をお聞きする予定であった。だが、時間的な制約からこれが実現できなかった。
次に、質問紙調査も当該年度に実施する計画を立てていたが、こちらもじゅうぶんな準備ができなかったために平成29年度の実施へと年度をまたぐ形となった。加えて、本年度においては執筆途中であったり編集中であったりする論文はあるものの、公刊された成果が1本もなく、この点でも研究の進捗状況としてははかばかしくないと判断できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成29年度は以下の作業を中心に研究を推進する。
（１）生協総合研究所との「福島第一原子力発電所の事故以降の食生活」についてのWEBによる質問紙調査。集計目標を2,000ケースとし、平成25年度に申請者がおこなった同様の調査との比較、居住地による意識の違いの比較をおこなう。（２）首都圏から福岡県に避難した世帯のネットワーク構築についての考察をおこなう。具体的には、「ふわりネットワーク」などの当事者のグループ、及び「一般社団法人市民ネット」「ウォローズ福岡」などの支援グループに接触し、代表者への聞き取り調査やイベントなどでの参与観察をおこなう。（３）新聞記事データベースにおける「チェルノブイリ原発事故」「福島第一原子力発電所事故」関連記事の蒐集と分析。この件については、他大学の教員からのサポートが得られるめどが立ったので平成29年度中に実施する。
（４）成果物の公刊をすすめる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度においては当初WEBによるアンケート調査を予定していたが、前述の通り本調査が平成29年度にずれこんでしまった。そのため、調査費用として計上していた分の予算を消化できないまま翌年に持ち越すこととなった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
すでに平成28年度中より調査協力機関との間で幾度か調査設計のためのミーティングの機会を得ており、WEBによる調査を平成29年度中で実施の予定である。
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