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2016 年度 実施状況報告書

IT化時代における家族実践:世代間コミュニケーションの実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K03907
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

砂川 千穂  国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 特別研究員 (90735094)

研究分担者 秦 かおり  大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (50287801)
坊農 真弓  国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (50418521) [辞退]
菊地 浩平  総合研究大学院大学, 学融合推進センター, 助教(特定有期雇用) (60582898)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードテクノロジー / 異世代間差 / コミュニケーション / 遠隔コミュニケーション
研究実績の概要

本研究は,メディア使用現場における,日本人家族の世代間コミュニケーション実態を解明し,学際的アプローチを用いて,家族コミュニケーション研究に新しい方法論を提案することを目的とする.2年目は,メディアの意識や世代間差を調査するために談話実験を行った.初年度より継続中のコミュニケーション実践データを分析し,ミーティング,学会発表などによって得られた知見を元に,実験をデザインした.IT機器を利用する日常的な場面を設定し,その中から重要な状況を静的に抽出し,イラスト画家に依頼してオリジナルのイラストをデザイン,作成した.合計8枚のイラストをラミネート加工し,関西,関東の大学で大学生を被験者として実験を実施した.合計44名,主に20代の男女を対象とした(関東地区は30代から40代).2人1組の同性同年代ペアにストーリーを作成してもらった.ストーリーに正解はなく,カードは男女が通話する場面,LINEする場面,外出先で予期せぬことが起きる場面など,IT機器の介在する日常的な状況を含んだものである.実験は別室で同時に2組行い,作成後は2組を1室に集め,研究者同席の上,ストーリーの報告と研究者主導の話し合いを行った.実験の開始にビデオを回し始め,すべてが終了するまで可能な限り録画を継続した.実際のストーリー作成場面や半構造化インタビュー場面のみならず,実験参加者同士の余談,研究者をまじえての雑談などすべての行程を分析の対象とする.こうすることで実験環境のデータ,自然発話のデータを両方とらえることが出来た.また,2人1組と4人による,話者の人数設定が異なる設定でデータを収集したことで,対面場面と多人数場面の会話の参与構造を基本的に理解するという意味でも有益なデータ収集を行うことが出来た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の妊娠・出産による遅れを挽回しながらのスタートであったが,おおむね順調に進展している.また,新生児を抱えていたため,突然の体調不良に対応し,データ収集の日程を再調整せざるをえないこともあったが,44名(パイロットスタディを含めると48名)にイラストを使用した談話実験を予定通り実施することが出来た.

今後の研究の推進方策

今後は,現在続行中のデータ整備,分析,また異なる世代へのデータ収集を計画している.すでに実験参加者へのアプローチ,日程調整を始めている.また,分析結果を発表するための機会を設ける.すでに国内学会発表におけるワークショップ,国際学会発表における二つのパネルセッションを準備中である.

次年度使用額が生じた理由

今年度はデータ収集のための被験者集めに力を入れた.その結果,予想以上に多くのデータ収集の可能性を広げ実施することが出来たが同時に,データ収集の場所変更や,急な体調不良などにより,やむを得ず実験参加をとりやめなければならないことがあった.

次年度使用額の使用計画

上記の経験により,研究分担者と相談の上,再度被験者集めの方法を改善し,すでに新しい被験者との調整に入っている.

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「対立と調和の図式―録画インタビュー場面における多人数インタラクションの多層性―」2017

    • 著者名/発表者名
      秦かおり
    • 雑誌名

      『コミュニケーションを枠づける ―参与・関与の不均衡と多様性』

      巻: - ページ: 131-154

    • 査読あり
  • [雑誌論文] それは排除か協調か 語りの動的仕組みを考える2017

    • 著者名/発表者名
      秦かおり
    • 雑誌名

      『<不思議>に満ちた言葉の世界』(上)

      巻: - ページ: 130-134

  • [雑誌論文] 空間をまたいだ家族のコミュニケーションースカイプ・ビデオ会話を事例にー2017

    • 著者名/発表者名
      砂川千穂
    • 雑誌名

      『コミュニケーションを枠づける ―参与・関与の不均衡と多様性』

      巻: - ページ: 91-108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 通訳者の参与地位をめぐる地位2017

    • 著者名/発表者名
      菊地浩平
    • 雑誌名

      『コミュニケーションを枠づける ―参与・関与の不均衡と多様性』

      巻: - ページ: 221-242

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ロンドンインタビュー調査にみるimaginary Japan 国際結婚家庭における教育の選択をめぐって2016

    • 著者名/発表者名
      秦かおり
    • 雑誌名

      社会言語科学会第38回大会発表論文集

      巻: - ページ: 197-199

  • [雑誌論文] 『保育園落ちた』問題の拡がりにみる間メディア社会の今日性:ブログ・Twitter・国会答弁・デモ行動にみるナラティブ性とメディア分節不可避性2016

    • 著者名/発表者名
      秦かおり
    • 雑誌名

      『相互行為研究(2):社会と文化、アイデンティティー』言語文化共同研究プロジェクト2015

      巻: - ページ: 11-22

  • [雑誌論文] 誰もが議論に参加できる言語環境2016

    • 著者名/発表者名
      坊農真弓
    • 雑誌名

      人工知能学会誌

      巻: 31(6) ページ: 967-968

  • [学会発表] 本当は不均衡な私たちーママ友の語りにみる参与の創発性と多層性ー2017

    • 著者名/発表者名
      秦かおり
    • 学会等名
      創発的参与構造の解明と類型化 公開研究会、国内公開研究会
    • 発表場所
      国立国語研究所
    • 年月日
      2017-03-16
  • [学会発表] インタビュー・ナラティブにみる排除・調整・共感の達成:在英日本人移民が語るEU離脱騒動から「共生」を考える2017

    • 著者名/発表者名
      秦かおり
    • 学会等名
      『ナラティブ(語り)研究の社会貢献を考える』ラウンドテーブル、国内ラウンドテーブル
    • 発表場所
      龍谷大学
    • 年月日
      2017-03-09
  • [学会発表] ロンドンインタビュー調査にみるimaginary Japanー国際結婚過程における教育の選択2016

    • 著者名/発表者名
      秦かおり
    • 学会等名
      社会言語科学会
    • 発表場所
      京都市外国語大学
    • 年月日
      2016-09-03
  • [学会発表] When instruction ends2016

    • 著者名/発表者名
      Chiho Sunakawa
    • 学会等名
      ISGS 7(International Gesture Conference)
    • 発表場所
      Universite Sorbonne Nouvelle Paris 3
    • 年月日
      2016-07-18 – 2016-07-22
    • 国際学会
  • [学会発表] Dwelling in a virtual domestic space: Webcam mediated interactions between Japanese families2016

    • 著者名/発表者名
      Chiho Sunakawa
    • 学会等名
      Sociolingistics Symposium 21
    • 発表場所
      Universidad de Murcia
    • 年月日
      2016-06-15 – 2016-06-18
    • 国際学会
  • [学会発表] Managing imbalanced positioning in narrative: How “involvement” can betray normal assumptions2016

    • 著者名/発表者名
      Kaori Hata, Kuniyoshi Kataoka
    • 学会等名
      Sociolinguistics Symposium 21
    • 発表場所
      Universidad de Murcia
    • 年月日
      2016-06-15 – 2016-06-18
    • 国際学会
  • [学会発表] L2 Teaching at home: FLP in multicultural situation2016

    • 著者名/発表者名
      Kaori Hata
    • 学会等名
      2016 Pan SIG
    • 発表場所
      名桜大学
    • 年月日
      2016-05-21
    • 国際学会
  • [図書] 出産・子育てのナラティブ分析2017

    • 著者名/発表者名
      秦かおり,岡本多香子,井出里咲子
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      大阪大学出版

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公開日: 2018-01-16  

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