研究課題/領域番号 |
15K03911
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
森山 治 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (40322870)
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研究分担者 |
神崎 淳子 金沢大学, その他の研究科, 研究員 (00569353)
小澤 裕香 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (00582032)
井口 克郎 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 講師 (10572480)
曽我 千春 金沢星稜大学, 経済学部, 教授 (20413239)
森山 千賀子 白梅学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50341897)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 介護労働 / 介護政策 / 職業訓練 / 介護福祉士養成 / 外国人介護労働者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、介護人材の育成と労働政策、移民政策を社会的包摂の視点から国際比較、整理することを通して、流動化・国際化する介護人材の導入政策及び我が国の介護人材育成に対する政策課題を明らかにすることにある。平成27年度は国内外の資料の収集・整理と共同研究者による定期的な公開研究会を開催し(6回開催)、研究会を通してメンバー間での介護を取り巻く内外の環境及び現状認識の共有化と、研究課題に対する検討を学際的におこなってきた。 今年度は特に研究目的の一つである国内で働く労働者の定着や新たな人材の確保に向けた労働条件の向上について、日本の介護政策に関する分析を中心に行い、以下の点を明らかとしてきた。 ①.我が国の外国人介護労働者を受け入れる施策は3つのルートによる政策動向があること。②.介護保険制度施行後の介護労働条件(特に賃金面)は、90年代末の状態に後退していること。③.介護職人材供給に対する職業訓練と求職者支援制度の課題を整理したこと。④.介護福祉士養成入学者が減少することで、養成が困難な状況に追い詰められている現状があることなどを明らかとしてきた。 こうした研究の成果については、積極的に外部の研究会等で報告し、あわせて次年度の研究に向けてより多くの研究者・教育者・実践者からの意見を集める機会をつくった。一例として研究代表者は、公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会平成27年度全国教職員研修会分科会特別講師(招聘)として、「外国人介護福祉士養成教育の現状と課題」-フィンランドにおける外国人介護人材への教育・訓練から学ぶこと-と題して報告を行い、全国の介護福祉士養成校の現職教員と研究成果の公表及び意見交換を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は共同研究者による定期的な公開研究会を開催することで、現状認識の共有化と研究課題に対する検討を学際的におこなうことが出来た。あわせて、次年度の海外調査に向けた準備、公開研究会の準備も進めている。予算を効率的に使用するため、今年度の海外調査計画については次年度に繰り越した。 当初予測出来なかったこととしては、中東を中心としたヨーロッパ諸国へ流入する難民問題である。予測を上回る難民の流入は、研究目的の一つであるヨーロッパ諸国の移民政策について影響を及ぼす恐れがある。経緯を注意深く見守る必要がある。また対応として次年度は、難民問題の影響が少ないフィンランドを中心とした調査によって研究目的を達成していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
フィンランドを中心とした現地調査を行う。具体的な調査としては、次のことを計画している。①.親族をケアワークシステムに組み込んだ親族介護支援システムを行っている 自治体レベルの取り組み。②.移民者家族、外国からきた要介護者に対する支援(ラヒホイタヤの教育は、言語、文化、宗教的対応などをどのようにしているのか)③.移民戦略2020についてのその後の政策動向。④.移民を含むラヒホイタヤ資格教育について。 ひき続き研究メンバーによる公開研究会の開催、学会・研究会での報告等を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を行うにあたり、予算を効率的に使用し調査・研究をするため、次年度へ予算を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
5月下旬フィンランドを中心とする調査研究を実施。
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