• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

単身女性のライフステージにおける貧困の形成要因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03922
研究機関神奈川県立保健福祉大学

研究代表者

吉中 季子  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (70434800)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード単身女性 / シングルマザー / 公的年金 / ライフステージ / 寡婦 / 貧困 / 社会保障
研究実績の概要

本研究は、単身女性が高齢期に貧困に陥る原因を探るものとしてインタビューを中心に研究を行った。単身女性の高齢期における貧困率が高いことは、社会保障の加入状況や働き方が影響しているが、なぜそのように至ったのかを、かつてシングルマザーだった女性も含めて、ライフヒストリーを中心にヒアリングした。
その結果、次のようなことが明らかになった。(1)かつてシングルマザーであった単身女性は子育て期に、自分自身の高齢期の生活設計がなされておらず、優先して子育てをしていた。それ以前に日々の収入を確保するがゆえに、自身の社会保障が無関心となる状況があった。(2)子どもを持たなかった女性も長期的な視点よりも短期的な生活を重視していた。就労の状況もいわゆる「結婚適齢」前後に結婚予定の有無に関係なく退職を考える(構造的な理由も含めて)ケースが一定数あり、そこでキャリアを中断せざるを得なかった。(3)全体的に年金制度などの情報に乏しかった。さらに、(4)年金制度の理解の不十分さに加えて、高齢期の女性の中には、夫や夫の家族から、年金制度への加入の必要性はなく、夫の世帯収入で生活の困難はないと、年金制度への加入をとどまった事例もあった。
以上のような結果から、年金制度に見られるように、制度自体は平等で整備されているからといって、情報の不徹底や本人を取り巻く家族からの力関係など、そのアクセスや本人を取り巻く構造的な問題が潜在していることが推測される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 1.大学生の国民年金保険料の支払いの意味-制度変遷からの検討と加入の実態2018

    • 著者名/発表者名
      吉中季子
    • 雑誌名

      日本年金學會誌(日本年金学会)

      巻: 37 ページ: 9-25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 若年女性の妊娠と出産の実態―10代で妊娠・出産した女性たちの語りから―2018

    • 著者名/発表者名
      石田那奈・吉中季子・小野川文子
    • 雑誌名

      道北福祉(名寄市立大学保健福祉学部道北福祉研究会)

      巻: 9 ページ: 1-18

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 母子生活支援施設の役割と存在意義の再検討―北海道における利用者調査より-2018

    • 著者名/発表者名
      吉中季子・中澤香織
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第65回全国大会
  • [学会発表] 大学生の国民年金保険料支払いの意味-制度変遷からの検討と加入の実態-2018

    • 著者名/発表者名
      吉中季子
    • 学会等名
      日本年金学会第37回大会
  • [図書] 子どもの貧困を問い直す―家族・ジェンダーの視点から2017

    • 著者名/発表者名
      松本伊智朗編 阿部彩・湯沢直美・藤原千沙・吉中季子他
    • 総ページ数
      259
    • 出版者
      法律文化社

URL: 

公開日: 2019-03-07  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi