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2017 年度 実績報告書

青年期精神保健におけるTreatment Gapに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03936
研究機関県立広島大学

研究代表者

細羽 竜也  県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (40336912)

研究分担者 越智 あゆみ  県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (60445096)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード精神科医療 / 受診勧奨 / 偏見
研究実績の概要

研究最終年度である平成29年度には,次の2つの研究課題に取り組んだ。
第1に,若者自身が罹患した際のTreatment Gapに影響する要因を検討した。若年層の精神科医療の受診回避に関しては,先行研究も蓄積されており,日本の特に大学生を対象とした場合には,「低い利用ニーズ」や「スティグマ」,「サービスが役立たない」という信念,の関連が指摘された。29年度に実施した調査の結果,うつ病罹患の可能性がある場合,精神科医療のサービスを利用する方が効果的と理解しているものの,利用の想定は,友人や家族,学生相談室などとくらべ低いことがわかった。ただし,信頼する人からの受診勧奨には58.8%の人が応じ,応じないとした人は5.9%にすぎなかった。理由としては,「治療をして改善したいから」「この状態を抜け出したいと思うから」といった項目評定値が高く,医療機関での専門的サービスへの期待感が強く現れていた。また,「信頼する人から受診するよう勧められた」「周囲に心配をかけたくない」といった周囲への配慮もサービス期待感についで高かった。一方,受診勧奨に応じない人には,「精神科病院はよくわからないから」「精神科病院に行っても自分が理解されると思えないから」というように,医療サービスの理解不足や不信が認められた。
第2に,友人が罹患した際のTreatment Gapに影響する要因を検討した。精神的には危機的な友人への受診勧奨を行うか否かについては29.4%が「勧奨を実施」すると答え,23.5%が「しない」,後47.1%は態度を保留した。理由として評定値が高い項目は,「病院に行くのは本人が決めることだから」「まずは身近な人への相談を勧める」というように,友人の受診という事態に責任を意識しての内容であった。本研究では,こうした項目を精選して,Treatment Gap尺度試行版を作成した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 就労継続支援A型事業所を利用する精神障害者の一般就労移行への関心に関する予備的検討2018

    • 著者名/発表者名
      多田ゆりえ・細羽竜也
    • 雑誌名

      人間と科学 県立広島大学保健福祉学部誌

      巻: 18 ページ: 51-58

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 精神保健福祉士の資質向上を促進するキャリアラダー開発と支援策の評価に関する研究-グループインタビューによる質的分析から-2017

    • 著者名/発表者名
      岡田隆志・大塚直子・越智あゆみ・河村隆史・栗原活雄・鈴木知子・長谷川治・松本すみ子・洗成子・齊藤晋治
    • 学会等名
      第16回日本精神保健福祉士学会学術集会
  • [学会発表] 介護領域の関係機関職員が精神障害者への支援で直面している課題と対応策の検討2017

    • 著者名/発表者名
      越智あゆみ・金子努
    • 学会等名
      日本地域福祉学会第31回大会
  • [図書] 新・精神保健福祉士養成講座 6 精神保健福祉に関する制度とサービス第6版2018

    • 著者名/発表者名
      一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟 細羽 竜也ほか26名
    • 総ページ数
      413
    • 出版者
      中央法規
    • ISBN
      978-4-8058-5596-6

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公開日: 2018-12-17  

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