研究課題/領域番号 |
15K03943
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研究機関 | 道都大学 |
研究代表者 |
飯浜 浩幸 道都大学, 社会福祉学部, 教授 (30316278)
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研究分担者 |
杉本 大輔 道都大学, 社会福祉学部, 准教授 (50305942)
上原 正希 道都大学, 社会福祉学部, 准教授 (00424888)
福冨 律 道都大学, 社会福祉学部, 講師 (60468840)
佐々木 智城 道都大学, 社会福祉学部, 講師 (30644273)
櫻井 裕介 道都大学, 社会福祉学部, 講師 (60743896)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 児童養護施設 / 児童虐待 / メンタルヘルス問題 / ソーシャルワーク / 家族再統合 / 支援プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、現在、児童養護施設の入所児童の多くに被虐待体験があり、親には精神疾患を含むメンタルヘルス問題があることがしばしば報告されている現状に着目し、児童養護施設の入所児童の親が抱えるメンタルヘルス問題の実際を解明、家族再統合に向けた対応方法を明らかにし、再発予防に資することを目的とする研究である。 平成27年度の研究目標は、北海道内児童養護施設の入所児童でメンタルヘルス問題を有する親の虐待の状況を把握することであり、次の5つの実施すべき事項を掲げた。①メンタルヘルス問題のある親の児童虐待の現状把握のため、北広島市内2施設で半構造化面接の実施。②半構造化面接の実施を経て、調査票を作成。③調査票の信頼性・妥当性把握のため予備調査を実施。④質問紙により道内23か所の施設を調査。その後、訪問などによりヒアリングおよびインタビュー調査による質的研究を実施。先進的な取り組みについて調査・分析。⑤児童養護施設職員立会いのもと、個人ファイルの閲覧と、その入所児童に関する補足説明および支援経過に関するインタビュー(半構造化面接)の実施である。 実際に実施できた項目は、①~③及び④の質問紙による調査・回収・単純集計までである。質問紙は、2008年度に厚生労働省は都道府県・児童相談所設置市に対して示した「家庭復帰の適否判断のためのチェックリスト」を含む『虐待をする保護者を援助するためのガイドライン』のチェックリストをベースとしながら先の2施設での聞き取り調査を踏まえ、調査票を作成、その後再度2施設に対して調査票の信頼性・妥当性把握のため予備調査を実施し作成したものである。回収率は、69.6%であった。研究の学術背景や着想及び調査票作成・完成までの報告を『道都大学紀要 社会福祉学部』第41号にて行った。 項目④の質的研究、先進的な取り組みについての調査・分析及び⑤は実施に至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度研究計画で掲げた5つの項目の内、以下について実施できなかった為。 ①質問紙による調査後、先進的な取り組みが行われている施設を訪問。ヒアリングおよびインタビュー調査による質的研究を実施。 ②児童養護施設職員立会いのもと、個人ファイルの閲覧と、その入所児童に関する補足説明および支援経過に関するインタビュー(半構造化面接)の実施。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、北海道以外の児童養護施設入所児童でメンタルヘルス問題を有する親の虐待の状況を把握することを目的に、その研究方法として次の3つを予定している。①道外577カ所の児童養護施設に質問紙調査票を送付し、問題の把握。②質問紙調査より、目を向けるべき支援方法を抽出し、 特に積極的な返答があった児童養護施設を抽出、 施設への訪問、職員よりヒアリングおよびインタビュー調査を実施、質的研究を含め先進的な取り組みについて調査・分析を実施。③職員立会のもと、個人ファイルの閲覧と、その入所児童に関する補足説明および支援経過に関するインタビューを行う方法を実施。②③については、北海道内の児童養護施設を含め実施。 平成29年度は、児童養護施設で実施可能な家族再統合プログラムの開発を行うことを目的に、その研究方法として次の3つを予定している。①家族再統合への取り組み方法について平成28年度からの継続した質的研究の分析を実施。②家族再統合への取り組み方法について質的研究から分析・評価の総括を実施。③モデルプログラムを開発、報告書に掲載して、完成後全国の関係諸機関及び児童養護施設に送付。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度計上の質的研究に伴う北海道内児童養護施設訪問旅費の使用及び関連図書購入、統計分析のためのソフトウェア(SPSS)の購入を行わなかった為。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、北海道以外の児童養護施設(577か所)に質問紙調査票を送付し、問題の把握。その後、目を向けるべき支援方法を抽出し、 特に積極的な返答があった児童養護施設を抽出、 施設への訪問、職員よりヒアリングおよびインタビュー調査を実施、質的研究を含め先進的な取り組みについて調査・分析を実施。職員立会のもと、個人ファイルの閲覧と、その入所児童に関する補足説明および支援経過に関するインタビューを行う予定である。合わせて平成27年度実施できなかった北海道内の児童養護施設に対する質的研究も実施する。平成27年度分も含め旅費、図書及びソフトウェア(SPSS)の購入等に使用する計画である。
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